もっとも、ボディ重心が高いだけに、ある程度の傾きや揺れなどに慣れる必要はあるが、ダンパーやサスペンションなど足回りがしなやかに動いているため、挙動が素直で乗り心地にも優れている。
さらに言えば、従来型のディーゼルエンジンと同型とは思えないほど、静粛性に優れているのもポイント。あのディーゼル特有のガラガラ音や振動が、エンジンはもとよりボディの遮音性向上などにより、車内ではほとんど感じられないほど静かなのだ。
愛を込めて“ダメ出し”
「デリカD:5」が登場して、すでに12年。正直、この新型は、内外装のデザインも走行性能も、フルモデルチェンジと言っていいくらいのレベルアップを果たしている。
ただ、それはデザイン部分に限ったことなのかも知れないが、ほかのミニバンたちに歩み寄ったような印象を受けてしまっているのも確か。
もちろん、ある程度のクルマ好きならオールラウンドミニバンとしての「デリカD:5」のよさを把握しているが、それ以外の人たちには違いがわかるだろうか?
三菱自動車として、デザインコンセプトを統一するというのは、正しい判断だと思うが、もう少し違った方向で個性を主張できなかったものか。
その迷いがあるのか、または今後「デリカD:5」は、ディーゼルエンジンだけになるのか(もしくはPHEVが追加されるか?)わからないが、ガソリン車は従来型がそのまま併売されている。
■関連情報
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/delica_d5/
文/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメやファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。