見よ、繊細なるこの料理への愛!
この調理器具は本当に初めて見た。コレです。
なんと空芯菜を裂く専用の器具・空芯菜カッター! 気になって帰国してから調べたら、ベトナム製のモノが日本でも売ってはいたんだけど、本当に空芯菜の為にしか使えない器具なんですよ。フォーオンリー空芯菜!!
せっかくなんでワン先生が使ってる写真もとうぞ!
下の針金みたいなところに空芯菜の真ん中の空洞を差して、上にズルッとトコロテンみたいに押し出す。そんな器具も使って作った、春雨とイカのサラダがコチラ!
もうちょっと高さを出して盛りつけたかったんだけど、真ん中に載ってるクリクリッとした青い白髪ネギみたいなものが、空芯菜カッターで裂いた空心菜! 専用器具を使っても使う量ってこれだけ! これだけの量の為に専用器具を開発するって、けっこう繊細な部分に力入れた料理なんですね、ベトナム料理!
もう一品作ったのはベトナム風お好み焼きといわれる『バインセオ』。いきなりですがワタシの作った完成品の写真です。
これはもう中華鍋使ってダイナミックに作る。そんなダイナミックさと、専用器具を開発してまで細かい作業を行う繊細さ。そして前回も書いたけど、街を埋めつくして走り回るバイクに象徴されるような、こっちまで火がつきそうな街全体から吹き出るエネルギー。それらが合体することで、このベトナム料理の完成度っていうのは確立されたんだろうなぁ〜。
ちなみにホーチミンの道路を埋めつくすバイクの数は昼間よりも圧倒的に夜の方が多い。午後10時くらいでもとんでもない数が走ってる。いったいこんな多くの人がこんな時間、どこに向かって走ってるのか、現地の人に聞いてみた。
まったく予期すらしてない答えが返って来た。
「どこにも行きませんよ。ただみんなグルグル走ってるだけ」
なんじゃああそりゃああああ? でもすぐ納得した。とにかくみんなエネルギーが有り余ってるんだよ、ホーチミンの人。もうとにかく家でジッとしていられないで、バイクで走り出しちゃう。もはや尾崎豊みたいな熱い人たちですよ、ホーチミンのみなさん。そんな人たちが、ダイナミックと繊細さを兼ね備えて料理したら、そりゃあ情熱的にうまい料理ができるよ!
料理教室は自分が作った料理三品を食べた後、締めには『ホアトゥック』特製のこんなデザートが登場する。
『パッションフルーツカスタード』。いや〜勉強になるわ、お腹は満たされるわ、先生も素敵だわ、これはホーチミンに行って体験する価値が本当にある。いや、するべきである。というかしなさい、絶対! 料金は一人1035000ドンってすごいケタいってますが、日本円で約5000円ちょい。習う料理も曜日ごとに変わるんでHPを見てください!
ホーチミンのベトナム料理の奥深さが本当に体で理解できる気がする。今年はゴールデンウィーク10連休とかっていうでしょ? もう10連休はホーチミン行って料理教室に決定と言っておきたい。
市場ツアー抜きの料理教室もあるしね。ただ市場ツアー抜きの教室に参加したとしても、きっと普通の観光でベンタイン市場には行くと思うんで、そしたら食材市場の方を見てほしいなァ〜。
ただし時間は早めに行った方がいい。オレ、午後の4時頃にもう一度行ってみたらこんなんなってました。
どの国も市場って早いのね……。
ベトナムツアーはまだまだ続く! 次回はホーチミンから西へ車で3時間。メコンデルタの都市『カントー』での感動の観光だ!! すいません、楽しい思いばっかりしてて…。
(協力:ベトナム航空)
文/カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。