あの巨匠も店を構える、目眩する食の充実
ホテル40階。ここにマカオでも最も高層に位置するプールがある。
早朝。とにかくプールも体験しておかなければと、早起きして行ってみる。
地上130mでインフィニティプールってのが、もう他に類を見ない!
この圧倒的な非現実感! ただマカオといえどこの日は薄曇りで、海パン一丁でデッキチェアに寝ころんでいると、少し肌寒かった。
すると、誰が頼んだワケでもないのに「ジンジャーティーをどうぞ」と、温かい飲み物のサービス。
そうなんです。生姜は体を温める効果があるんですよ。それをこんな気候の日にはサッと持ってくるホスピタリティ。『モーフィアス』は5つ星を超えたスーパーラグジュアリーホテルといわれているんだけれども、それは、ただ箱だけが技術革新の未来型なだけではない、こういうソフト面の洗練さにも現れているのだ。
『モーフィアス』での感動は止まらない。ホテルといえばダイニングだが、オープンして即座に香港マカオ版ミシュランで2つ星を獲得したフレンチレントランだある。
『アラン・デュカス アット モーフィアス(Alain Ducasse at Morpheus)』だ。もう店名から一目瞭然、この店の星を合わせたら、もうミシュランでいくつ星を持ってるか数えられないくらいのフレンチの巨匠アラン・デュカスのグランメゾンである。
ただグランメゾンだけに営業はディナーのみ。もっと気軽に軽くアラン・デュカスの料理を食べてみたい! そうお思いの方もいらっしゃるでしょう。そんなご要望にもバッチリ応えております。アラン・デュカスは、『モーフィアス』の中にもう一軒レストランを構えている。それが、『ボヤージュ バイ アラン・デュカス(Voyage by Alain Ducasse)』。
ドレスコードもカジュアルOKのビストロスタイルで、ランチは前菜+主菜+デザートで198マカオパカタですから約3000円。これはワタクシもいただいちゃったよ、ごめんなさい。
アミューズの鴨のパテ。前菜にロブスターのビスク。そしてメインはトゥールーズのソーセージ・レンズ豆添え。
アラン・デュカスって、もっと突飛な料理を出してくるかと思いきや、クラシックな家庭料理に新しいアプローチを加えたような皿。せっかくだからワインもグラスで呑みました。ひよって一番安い75パカタ(約1100円)のボルドーだったんだけど、これがこの質実剛健な味とまた合う! 素晴らしい時間をすごさせていただきました。
さらに『ボヤージュ バイ アラン・デュカス』はバーも併設してるので、お酒だけの利用もできる。それを聞いたら、プロドランカーの血が黙ってはいられない。
平日は23時までの営業の所、どうにか閉店15分前に滑り込んで、一杯呑みました。
タンカレをロックで頼んだんだけど、そのキレももちろんのこと、突き出しのナッツがビックリするくらいうまかった。アーモンドが様々なスパイスでコーティングされてるんだけど、さすがアラン・デュカス。ナッツまで一味じゃないな、四味くらい違ってた。時間があれは、このナッツだけで間違いなく延々呑める。
紙ナプキンに包んで、お土産にもって帰りたかった。それができなかったことを、この旅で一番悔やんでおります!
さて。マカオで料理といえば中華料理ですが、こちらも手抜かりはない。