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プロジェクト管理を楽しく学べるボードゲームの中身と完成度がスゴい!

2019.03.17

ゲーム体験イベントは大盛況

いかにもプロジェクト管理ツールを開発した会社らしいコンセプトのボードゲームだが、「やってみて面白いかな?」という疑問がちょっとあった。

そこで、2月19日にヌーラボ社主催で「お披露目+ゲーム体験イベント」が行われるというので、そのあたりの疑問を確認すべく見学に赴いた。

会場は、本作の監修を務めた白坂翔さんがオーナーのボードゲームカフェ、「JELLY JELLY CAFÉ池袋2号店」。一般参加者が抽選になるほど多数の申し込みがあったそうで、平日にもかかわらず大勢の人が「プロジェクト テーマパーク」を試遊しに集まった。

「プロジェクト テーマパーク」を体験しようと集まった一般の参加者たち

最初に、ヌーラボ社のウェブエンジニアで、本作の考案者でもある砂川祐樹さんから、ゲームのルールについて説明があった後、数人ごとに1卓を囲んで実際のプレイが開始された。

「プロジェクト テーマパーク」の生みの親、ヌーラボ社の砂川祐樹さん

意外にも、ゲームは、出だしの「見積り」の段階でいきなりヒートアップした。見積りとは、今月のターンでは、どのアトラクションを建築するかを、チーム内で相談すること。最初から飛ばして、建築案件を抱え込んで未完成のものが出た場合、発注者の信頼度が下がるというペナルティがある。逆に慎重になりすぎて、絶対確実な件数しかこなさないと、半年後の納期に間に合わない。「ヤル気」カードの中身を他のメンバーに見せてはいけないとか、イベントは見積りの後にやってくる、といった不確定要素があって、侃々諤々のディスカッションがそこかしこで行われた。

序盤の「見積り」をどうするかで大盛り上がり

議論の末に案件が決まると、サイコロを振って「ヤル気」カードで出目を修整し、各建築の成否を決めるが、こちらも白熱。ジェットコースターのように大きな目を出さないと成功しない案件については、複数のメンバーが協力して出目を合計するなど、協力型ゲームらしい仕掛けもある。誰と誰が協力するか、(大きな目を狙って)1人で勝負に出るかなど、実務でも起こりがちなジレンマがあるのも、エキサイティングになる要因。参加者たちの熱量は、最後まで衰えなかった。

最後のターンで全案件をこなせるか、難しい判断を迫られる参加者

学習要素とゲーム性が両立した成功作

筆者自身は見学に徹し、プレイには参加しなかったが、ヌーラボ開発陣の「プロジェクト管理の学習要素をふんだんに散りばめつつ、ボードゲーム好きの方にも楽しんでいただけるような、ゲーム性の高いもの」というコンセプトは、見事に実現されているのは理解できた。この種のゲームは、少なからずが「学習要素は高いが、ゲームとしての面白みに欠ける」か「ゲームとしては面白いが、学習要素が消えてしまっている」のどちらかなので、「プロジェクト テーマパーク」は稀有な成功例といえそうだ。

もともと、ヌーラボ社とKBC(九州朝日放送)との「ただの雑談から生まれた、ボードゲームを作ろう!」という企画から生まれたこのゲーム。瓢箪から駒で、ここまで完成度の高い製品に仕上がり、当初は予定していなかった一般販売(税込み4860円)という展開になって、第一弾ロットはたちまち完売。ヌーラボからの直接販売や、JELLY JELLY CAFEでの再販は現在のところ予定していないという。ただ、多くの要望を受けたヌーラボ社は、プレゼントキャンペーンでの提供を随時行なっていくとのことで、関心のある方は、Backlogの公式Twitterを随時チェックしておこう。

鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)

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