優れたアスリートは、しばしば「ゾーンに入った」という表現を使う。ここで言う「ゾーン」とは極限の集中力を意味し、ベストパフォーマンスで競技をするのに必要な精神状態とされている。
「ボールが止まって見えた」など、「ゾーンに入った」状態は、神秘的な雰囲気をまとって語られることが多い。そのため、一部の人だけができる神業と思われがちだが、ちょっとしたトレーニングで、これに近い集中力は得られると説くのは、集中力の代表取締役を務める森健次朗さんだ。
森さんは、新刊の『30秒集中法 いきなり一点にすべての能力を集め、持続させる』(ワニブックス)で、まさに1回「30秒」でできる集中力の会得法・コツを幾つか記している。
今回紹介するのは、その中の1つ「ボール積み法」。森さんが、集中力の研修でよく指導するメソッドだそうで、即効性があって、独習も可能というメリットの大きなものだ。テニスボールが2個必要なので、まずこれを用意し、以下の要領でやってみよう。
姿勢を整える
椅子に浅く座り、机に向かう。最初に姿勢を整えて、集中力を発揮しやすくする。森さんによれば、集中力に長けた一流のアスリートやビジネスパーソンは、みな姿勢が良いという。姿勢が良いと呼吸の質も上がり、疲れにくく、集中力も持続するのがその理由。やり方は、以下のとおり。
1. 椅子に浅く座ったまま、利き手を頭の上に乗せ、手のひらで頭を軽く押さえる。
2. 手のひらから頭を押さえつけられる力に反発するようにあごを引いて、背筋をぐっと上へ伸ばす。
3. 利き手を頭の上からそっと下ろす。
4. 両肩をグッと上げて、2~3秒その状態を保つ。
5. 脱力して、両腕をストンと下ろす。
テニスボールを積む
机の上にテニスボールを1個置く。両手を使い、その上に別のテニスボールを乗せる。目標は、15秒の間に1回成功させること。乗せるのに成功したら2秒待ってボールを下して、もう1度やってみる。
2回目のチャレンジでは、1回目に上に置いたボールを下に置き、下のボールを持って、上下を逆転させてボールを積むと、リセット感が出てベター。
また、うまくいったらガッツポーズをとったり、心の中で「やった」などとつぶやくと、「自分はすぐに集中できる」という自信がつき、さらに集中しやすくなる。
これを1日に5回ほど行えば、「目の前の仕事により早く、そして強く長く集中できるようになる」と森さんは述べる。
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