でもPayPayみたいに、ポイントが買い物をした後から入ってくるところは、原資がない。ユーザーに口座を作ってもらっても、そこに原資がない。払うためのものが結局クレジットカードになるので、サービス提供会社としてはメリットが少ないというか、うまみがないというか、下手したら儲からなくなる。だから100億円をばーっとばらまいて、みんなのPayPayの口座の中にお金をある程度貯めつつ、人によっては3万円とか10万円とか貯まっている人もいるだろうから、それを使ってこれからPayPayで払ってもらえば、当面使ってもらえる。最初のPayPay祭りに参加できなかった人が、今回は1000円分が上限だから5000円以内で買い物しようといって、お酒を買ったりしていて、それは波及効果としては間違っていない。
石野氏:たばこをファミマで1000円ずつ買う裏技とかを編み出していましたからね。
法林氏:考え方としては悪くない。その点、LINE Payがきついのは原資がないのと、もともとのサービスが何もお金を生んでいないので、ユーザーにチャージしてもらうしかない。。LINEは普及させようとして20%還元とかいろんなことに首を突っ込んでいるんだけど、もともとの原資がない。JCBと組んでプリペイドのクレジットカードはあるけれど、それだけ。LINE Payは結構厳しい。後発でもメルペイに可能性があると思っているのはそこなんですよ。メルカリで売買しているので、口座にお金があるんですよ。これは大きい。
房野氏:以前、石川さんがおっしゃっていましたね。
石川氏:QR決済を将来的に見るとしたら、まさに法林さんのした話は肝。キャリア系のサービスは毎月ポイントが発生するので、自然とポイントが貯まる。結果、お金を使う。この先、個人間でお金を取り引きするようになれば、また変わってきますけど、当面キャリア系が強いと思います。PayPayもソフトバンクのポイントをPayPay対応するようになれば状況が変わると思う。
房野氏:そうなるんですか?
石川氏:一応、やると言っていますね。
房野氏:Tポイントはどうなるんですか?
石川氏:TポイントからPayPayに切り替える。
法林氏:以前、Tポイントがヤバいよねという話をしたら、Tポイントから撤退するニュースが怒濤のごとく報じられた。
石川氏:その件、ある人に聞いたら、Tポイントの契約期間が切れる時期なんだそうです。10年が区切りになっていて、ちょうど更新時期に来ているところがたくさんあって、このタイミングで契約が切れるんだったら他とやるというのが続いているという話でした。
法林氏:Tカードを持っているのが何歳の男性なのか女性なのかということは分かるけど、ユーザー属性の情報はキャリアの方がしっかりしている。今さらTポイントと組む理由がない。TポイントはもともとTSUTAYAから始まり、映画に首を突っ込んで行った。個人の属性情報を持っているのは事実だけど、より正確性が高くて、なおかつ口座も紐付いているキャリアの方が圧倒的に強い。