調理ができる小さな焚き火台
昨年購入したけれども使う機会がなかったゴトクを、鍋が安定する焚き火台に。といっても下にメッシュの炭床をつけるだけだ。人気のアイアンラックにメッシュシートを取り付けている人は多く、これもポピュラーなカスタムと言える。
両端が輪になったワイヤーとSカンでメッシュを吊そうと考えたが、手持ちの脚付きゴトクはスタンドの高さ調整穴がいくつか空いており、その穴は手持ちのピンペグがぴったり入るサイズ。ワイヤーのかわりにペグを差し込んで吊したところちょうどいい感じ。メッシュが抜けたり、たわんだりすることもない。
製作費は、ゴトク(2000円程度)+ペグ2本(200円程度)+メッシュ(2000円程度のシートの半分を使用)。
小さな焚き火に不可欠な焚き火シート
自作、市販問わず、小さな焚き火台はどうしても地面からの距離が近く、そのままでは地面に焚き火の熱が伝わりやすく、時には芝生が焦げることもある。そこで、軽くて小さくたため、なおかつ熱をなるべく伝えずにすむカーボンフェルトで焚き火シートを作ってみた。
カーボンフェルトをそのまま広げて地面に敷くだけでもいいが、風で飛ばされるとやっかいなので、四隅にグロメットを装着。ついでに余っていたレザーで補強もしてみた。
小さなペグで抑えれば、風が吹いてもめくれない。シートがあおられて、焚き火台がひっくり返る不安も軽減する。
使用したカーボンフェルトの厚みは約3mm。小一時間、焚き火をしてから焚き火台をはずしてみると、焚き火シート1枚では地面がじんわりあたたかい。炭が落ちることもあるので、焚き火シートを2〜3枚重ねるか、もっと厚いフェルトを手に入れる方が安心のようだ。
製作費はカーボンフェルト(約1000円)+グロメット(500円くらい)。
今回、3つの焚き火台と焚き火シートを作ってみた。ペグやゴトク、グロメットなど手持ちの素材を使い、またグロメットを取り付ける工具やパイプ用カッターもあったので、製作費は3つ作って実質3000円程度。しかし、一から始めようと思ったら、なかなかの出費となる。市販の焚き火台は2000円くらいからあるので、コストだけを見るとDIYやカスタムのメリットはほとんどない。
とはいえ、自作している人たちの写真を参考にイメージをふくらませ、「こういう素材があればできそうだ」と考えつつホームセンターを探検するのは楽しいものだ。何度もテストを行っている市販品とは異なり、耐久性も安全性も未知数なので事故につながらないよう短時間ずつ試すしかないわけだが、恐る恐る試しながら「次のキャンプまでにココを改良しよう」と考える……これもキャンプの楽しみ方のひとつ。カスタムやDIYにハマるキャンパーが増えるのも納得だ。
取材・文/大森弘恵