父親が子どもと関わるときに意識すべきこと
この父親役割を踏まえると、父親が子どもと関わる上では、どんなことを意識すれば良いだろうか?
先にも述べられた通り、父親役割は、社会背景や文化的要因によって、求められるニーズは異なる。それでもあえて父親が持つべき子育て意識を二川さんに挙げてもらった。
1.夫婦共に子育てに関わること
「『母親=子育て、父親=仕事』という役割分担ではなく、夫婦のあり方や働き方の多様性を受け止めたうえで、お互いの能力を活かし合い、夫婦共に子育てに関わることを意識することだと思います。
一般論として共働き世帯の父親の子育てに関わる時間は母親と比較して世界的にみても日本は、極端に短くアンバランスになっています。そのことが母親の子育てに過剰な負担を強いており、子育てに対する不安やストレスになっている側面は否定できません。このような状況を父親が正確に把握することも求められます」
2.子育てに意識的、主体的に関わること
「父親に妊娠、出産、授乳はできないため、子どもとの愛着関係を構築するには、意識して関わることが必要です。合わせて子育てに主体的に関わること、そして責任感を持つことも必要です」
3.子育てを生活の中に位置付け、仕事と同レベルに扱うこと
「父親の子育ては、母子関係を含んだ地域社会においてなされるもの、と意識することです。SNSを通じたつながりや社会との関わりを重視した子育てを意識することも必要です。生活の中に子育てを位置づける、つまり仕事と同レベルに扱い、母親とそれらを共有すべきだと考えます」