数えきれないほど存在するポイントサービス。そのため財布の中がポイントカードだらけ……という悩みを抱えている人も多いことだろう。
消費者としては一刻も早く、統一規格を開発してほしいところだが、事業者同士の利害関係的になかなか難しいことは容易に察せられるので、現状に甘んじるほかない。
そんな数多あるポイントサービスで特に利用されているのはどのサービスで、また、貯まったポイントはどのように利用されているのだろうか?
今回、20歳~49歳の男女2,000名(全回答者)を対象に、ポイントサービス(小売店、インターネットショッピングなどでポイントが貯まるサービス)の利用実態や意識についての調査が行われた。
利用しているポイントサービス 1位「Tポイント」2位「楽天スーパーポイント」3位「Pontaポイント」
まず、全回答者(2,000名)を対象に、利用しているポイントサービスを尋ねる調査が行われたところ、1位は「Tポイント」(66.9%)、2位「楽天スーパーポイント」(54.4%)、3位「Pontaポイント」(47.9%)、4位「dポイント」(28.5%)、5位「Amazonポイント」(25.2%)となった。
2017年12月実施の前回調査結果と比較すると、「dポイント」の利用率が上昇(2017年:6位24.7%→2019年:4位28.5%)。積極的なプロモーション展開によって利用者を増やしている状況がうかがえる結果となった。
男女年代別にみると、20代女性で「LINEポイント(LINE Pay)」(30.3%)が4位となり、20代女性の3割が利用していることが明らかに。
ポイントの貯めやすさ満足度 「楽天スーパーポイント」がダントツ
では、ポイントサービスの利用者は、自身が利用するサービスをどのように評価しているのだろうか。
各ポイントサービスの利用者が“このサービスはポイントを貯めやすい”と評価した割合(以下、貯めやすさ満足度)をみると、1位は「楽天スーパーポイント」(69.2%)、2位「Tポイント」(55.9%)となった。
また、「ゴールドポイント(ヨドバシカメラ)」は、「利用しているポイントサービス」における順位は10位圏外だったが、貯めやすさ満足度は5位(35.1%)となった。
“普段の買い物”と普段の生活から離れる“旅行”というシチュエーションでは、貯めやすいポイントサービスは異なってくるのだろうか。
“普段の買い物”での貯めやすさ満足度をみると、1位「Tポイント」(57.9%)、2位「楽天スーパーポイント」(53.4%)、3位「Pontaポイント」(37.8%)となった。コンビニなどの実店舗やネット通販といった、日常的な利用シーンに対応するポイントサービスが上位にランクインした。
一方、“旅行”での貯めやすさ満足度をみると、1位「JALマイレージバンク(日本航空)」(70.0%)、2位「ANAマイレージクラブ(全日空)」(67.3%)と航空会社系のサービスがTOP2となった。
次いで3位は「楽天スーパーポイント」(23.4%)、4位「JRE POINT」(16.3%)、5位「交通ICカードのポイント」(13.9%)という順位に。航空会社系のサービス2社の満足度は7割前後と、他の交通系サービスの満足度と差が開く結果となった。
どんな店の利用でポイントを貯める? 1位「コンビニ」2位「スーパー」3位「ドラッグストア」4位「ネット通販」
ポイントサービス利用者は、ポイントを多く貯めるためにどのような工夫をしているのだろうか。
まず、ポイントサービス利用者(1,801名)を対象に、どのようなお店でポイントを貯めているか尋ねる調査が行われたところ、1位「コンビニ」(75.3%)、2位「スーパー」(62.9%)、3位「ドラッグストア」(57.9%)となった。
日常的な買い物でコツコツとポイントを貯めている人が多いようだ。以降、4位「ネット通販」(38.5%)、5位「ガソリンスタンド」(28.1%)と続いた。
ポイントを貯めるために行っていることは何かと尋ねた調査では、「なるべくポイントサービスの取扱店で買い物する」(58.4%)が最も高く、「ポイント2倍デーや5倍デーのキャンペーン時に買い物をする」(44.4%)、「なるべくネットショッピングで買うようにする」(29.8%)、「ポイント特典(+10ptなど)がつく商品を買うようにする」(28.4%)、「買い物はクレジットカードで支払うようにする」(27.8%)が続いた。
男女別にみると、「ポイント2倍デーや5倍デーのキャンペーン時に買い物をする」では女性が54.0%と、男性(34.2%)と比べて19.8ポイント高いという結果に。ポイント付与率が高くなる日を狙って買い物をすることで、お得にポイントを貯めている人は、女性に多いことがわかった。
貯まったポイントの使い方 1位「買い物で使う」2位「電子マネーと交換」3位「現金化」
続いて、貯まったポイントの使い方について質問が行われた。
ポイントサービスの利用者(1,801名)を対象に、経験したことのあるポイント利用方法を尋ねる調査が行われたところ、「買い物で(支払いに)使う」(76.4%)が最も高くなり、2位「電子マネーと交換する」(31.2%)との間に45.2ポイントの差がみられた。
ポイントの使い方としては、買い物で現金代わりに使うという人が大半という結果に。そして、「キャッシュバック(現金化)する」(26.0%)、「他のポイントに交換(両替)する」(24.0%)、「ポイントプログラム内のグッズ・商品と交換する」(14.0%)が続いた。
では、どのようなポイント利用方法が、お得度が高いと評価されているのだろうか。
実際にその利用方法を経験した人が“お得感がある”と評価した割合(=お得度)が高いのは、1位「買い物で(支払いに)使う」(71.1%)、2位「キャッシュバック(現金化)する」(67.7%)、3位「特典航空券(無料航空券)と交換する」(66.3%)となった。
ポイントの利用しやすさ満足度 TOP2は「楽天スーパーポイント」「Tポイント」
各ポイントサービス利用者が、“このサービスはポイントを利用しやすい”と評価した割合(=利用しやすさ満足度)をみると、1位「楽天スーパーポイント」(63.2%)、2位「Tポイント」(59.9%)、3位「dポイント」(42.0%)、4位「Pontaポイント」(40.4%)、5位「nanacoポイント」(36.8%)となった。
TOP2の「楽天スーパーポイント」「Tポイント」は、貯めやすさ満足度ランキングでも同じ順位を占め、「貯めやすく、利用しやすい」と利用者に高く評価されていることがわかった。
次に、各ポイントサービス利用者が“このサービスは今後(も)利用したい”と評価した割合(=リピート意向度)をみると、1位「楽天スーパーポイント」(70.6%)、2位「ANAマイレージクラブ(全日空)」(62.5%)、3位「JALマイレージバンク(日本航空)」(60.8%)、4位「Tポイント」(59.9%)、5位「dポイント」(57.8%)となった。
また、各ポイントサービスの利用者が“このサービスは特典への交換条件が魅力的”と評価した割合(=交換条件の満足度)をみると、1位「JALマイレージバンク(日本航空)」(44.0%)、2位「ANAマイレージクラブ(全日空)」(39.8%)、3位「楽天スーパーポイント」(33.3%)、4位「Tポイント」(23.8%)、5位「dポイント」「WALLETポイント(au WALLET)」(同率17.2%)と、TOP2を航空会社のサービスが占める結果となった。特典航空券などへの交換条件に、多くのマイラーが満足しているようだ。
特典航空券の予約しやすさ満足度 1位「JALマイレージバンク」2位「ANAマイレージクラブ」
航空会社のマイレージサービスは特典への交換条件の満足度が高いことがわかったが、利便性の観点では、特典航空券の“予約しやすさ”も重要な要素と思われる。
では、特典航空券の“予約しやすさ”の満足度が高いのは、どの航空会社のサービスなのだろうか。
各航空会社のマイレージサービス利用者が、“このサービスは特典航空券が予約しやすい”と評価した割合(=特典航空券の予約しやすさ満足度)をみると、1位は「JALマイレージバンク(日本航空)」(57.2%)、2位は「ANAマイレージクラブ(全日空)」(53.8%)、3位は「スカイマイル(デルタ航空)」(34.1%)、4位は「マイレージプラス(ユナイテッド航空)」(33.3%)となった。
昨年新サービス「JAL国際線特典航空券PLUS」を開始した「JALマイレージバンク(日本航空)」が高い評価を得たようだ。