一般家庭用冷蔵庫に、業務用レベル(※1)の機能を搭載
「ないと困るキッチン家電」の代表格が冷蔵庫。肉や野菜など生鮮食品の保存はもちろん、製氷や食材の冷凍保存は現代社会では不可欠だ。そう、食品や作りおきなどを“安全に保存”するのが冷蔵庫の役割……そんな、これまでの常識の“一歩先”をいく冷蔵庫が、3月20日よりパナソニックから発売される。「はやうま冷凍」ができる冷蔵庫(WPXタイプ)だ。
“一歩先”の所以は「クーリングアシストシステム」にある。家庭用冷蔵庫なのに業務用冷凍機並みの圧倒的な冷却性能を持っているのが特徴で、それを実現させているのが、業務用冷蔵庫を開発してきたパナソニックの技術だ。「はやうま冷凍」ができる冷蔵庫(WPXタイプ)に凝縮された「クーリングアシストシステム」を技術面から詳しく分析してみたい。
※1 実験条件:牛ステーキ(もも肉)150gをラップ包装。クーリングアシストでアルミプレートの上に置いて冷凍。最大氷結晶生成帯(-1℃~-5℃)を通過する時間:約28分。外気温25℃、扉開閉なし(パナソニック測定)。
1.ブラストチラーの冷却性能+ショックフリーザーの急凍性能
業務用冷凍機器は、急冷却ができる「ブラストチラー」と、急冷凍ができる「ショックフリーザー」の2種類に大別される。
前者「ブラストチラー」は、90分以内に、70℃の温水を3℃に急速に冷却する能力がある。
後者「ショックフリーザー」は、3℃前後の食材を-18℃程度まで急速に冷凍することが可能だ。
「ブラストチラー」は調理直後の食品を高速で冷却するためのもので、大手メーカーの冷凍食品の多くは、常温の食品を高速で冷凍保存する「ショックフリーザー」が利用されている。このように、本来、急速冷却させる機能と、急速冷凍させる機能は異なるものだが、双方の機能の“いいとこ取り”をしたのが、新搭載の「クーリングアシストシステム」だ。温度の高い食材でも素早く冷却し、さらに高速冷凍が可能になったおかげで、家庭用冷蔵庫でありながら、アツアツごはんや揚げたての唐揚げを素早く冷却・冷凍することができるようになるのだ。
2.食品にベストな急凍時間でおいしさをキープ
食品をおいしく冷凍するには「最大氷結晶生成温度帯(-1℃~-5℃)をいかに素早く通過させるかが大事だ。緩慢凍結の場合、食品の細胞のナカの氷の結晶が大きくなるため、組織が損なわれ、解凍時にドリップとともに旨味が逃げてしまう。
だが「はやうま冷凍」なら約30分で、新鮮な肉や魚の細胞を壊さず、フレッシュなおいしさをキープしたまま急凍できる。揚げ物などの食感や味もそのままキープするので、解凍後は揚げたてのサクッとした衣の食感やジューシーな旨味を、そのまま再現することが可能だ。
3.他の食品に影響しない独立した部屋
このように業務用レベルの性能を実現できるのは、クーリングアシストルームが独立した部屋になっており、独立した冷却を行なっているためだ。
専用のダクト風路、専用の急冷ファンが内蔵されており、クーリングアシストルームに従来比約8倍の大風量で集中して冷気が流れ込む構造になっている。そのため、アツアツのごはんや揚げ物を入れても、他の食材に影響せずすばやく冷やせる。