【初めてのブロックチェーン】今、ブロックチェーンが注目されている理由
インターネットに匹敵する革新的な技術として注目されているのが「ブロックチェーン」です。ブロックチェーンといえば、暗号資産に使われている技術ですが、決して「ブロックチェーン=暗号資産」ではありません。ブロックチェーンは、暗号資産だけでなく、様々な領域に応用すべく開発や実験が行われており、将来は医療、食品、流通、保険、著作権保護といったジャンルへの活用が見込まれています。
ビジネスパーソンが知っておくべき、ブロックチェーン事情。まずはなぜブロックチェーンがこれほど注目されているのか? その理由をみていきましょう。
そもそもブロックチェーンとは?
ブロックチェーンは、データブロックをチェーン(鎖)状に連結した〝台帳〟です。ブロックチェーンにはトレーサビリティが高い、改竄が困難、低コストでの運用が可能、といった特性があります。
こういった特性により、ブロックチェーンを使った新しいサービスなどが次々と誕生しています。ブロックチェーンの利用が広がることで、ブロックチェーン関連市場の規模も急速に拡大しています。
ブロックチェーンビジネスの市場予測
Meticulous Researchのレポートによると、2018年時点のブロックチェーン関連市場の規模は3億8550万ドルです。今後の年平均成長率は71.4%という高い値が見込まれ、2025年には282億4870万ドルに達するとしています(暗号資産の時価総額を除く)。
また、IDC Japanでも高い年間平均成長率を予測。「国内支出は2022年に545億円へと拡大する」としています。
ブロックチェーンの今後の市場予想(伸び率)
多くの業種でブロックチェーンが活用されると予想されており、それに伴って市場規模も拡大しています。
引用元:https://www.meticulousresearch.com/product/blockchain-market/
国内のブロックチェーン市場予測
IDCは米国、欧州での市場が大きく拡大すると予想。また、国内のブロックチェーン市場は今後5年間で数十倍に拡大するとしています。中でも国境を超えた代金支払い方法であるクロスボーダー決済と、証券会社などにおいて市場取引成立後に各口座への配分を行うポストトレード決済がメインの用途です。また、流通や製造、資源などの領域では資産・商品・来歴などの管理でよく使われることになりそうです。
引用元:https://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20180905Apr.html
暗号資産だけではないブロックチェーン活用事例
このように大きな成長が見込まれるブロックチェーンですが、各領域ではどのように活用されるのでしょうか。まずは金融分野での用途を見ていきましょう。
ブロックチェーンには堅牢性やセキュリティ、処理速度、コストなどの面で優れた部分があります。決済・送金の分野では、リアルタイム処理や低コストといったメリットが重宝されるでしょう。
たとえば、既存の海外送金の仕組みであるSWIFTに変わる技術として、リアルタイムに低コストで送金できるメリットがブロックチェーンにあります。送金結果がブロックチェーンに反映されるまでに数分~数十分程度の時間がかかりますが、銀行を経由してSWIFTによる送金だと数日かかってしまうので、それに比べれば大変短い時間で処理が完了します。
また、銀行やクレジットカードといった決済手段を用いることが難しい少額の決済、「マイクロペイメント」においても、暗号資産が注目されています。
ブロックチェーンは、株式や債券などの証券やその他資産の取引へ応用することもできます。ブロックチェーン取引ではあらかじめ資産の所有権を記録しておき、取引所で注文が約定したら所有権移転の情報を書き込みます。ブロックチェーンに記録することで従来型の市場よりも業務効率を向上させ、決済リスクを軽減することができます。
なお、ブロックチェーンを用いれば債権の発行、流通コストを削減することもできます。世界銀行では既にブロックチェーン債「bond-i」を発行しています。
bond-iの発行総額は1億1千万豪ドル(約100億円)と日本の中小規模の投資信託に引けを取らない規模。
引用元:https://www.worldbank.org/en/news/press-release/2018/08/23/world-bank-prices-first-global-blockchain-bond-raising-a110-million