いま日本では銭湯の数は減少しているという。その銭湯を日本に残したいと考え、活動している人々もいる。
今回は、その“銭湯愛”から銭湯特化型のウェブメディア「東京銭湯 – TOKYO SENTO –」を運営し、大阪の銭湯の台風被害を受けて復興のクラウドファンディングなども行う日野祥太郎さんに、銭湯の魅力や、意外と知らない銭湯の楽しみ方を聞いた。
銭湯の魅力
銭湯というと、一般的にはちょっと“古臭い”イメージがある。そんな銭湯の魅力を改めて知っておきたい。日野さんは銭湯への熱い思いから、銭湯の魅力を5つ語ってくれた。
「銭湯は、一般的には『古臭い』イメージがあるかもしれませんが、各店舗、独自に進化しています。各銭湯特色に溢れており銭湯を知るたびに面白い業界だなと思っています。銭湯の魅力を知らない? もったいない! もしかしたら皆さんの家の裏にある煙突が銭湯かもしれませんよ」
1.綺麗なデザイナーズ銭湯も登場!
「実はこの10年ほどでリニューアルした銭湯が多く登場しています。特に建築家 今井健太郎氏によるデザインは有名で、デザイン性に富んだリニューアル銭湯が数多くあります。例えば、渋谷区の『改良湯』、板橋区の『クアパレス藤』、大田区の『はすぬま温泉』、新宿区の『栄湯』などです」
2.温泉が出る銭湯もたくさんある!
「実は都内には、温泉が出る銭湯が数多くあります。特に大田区には『蒲田温泉』や『桜館』、『照の湯』、『改正湯』など黒湯を楽しめる銭湯が多いです。世田谷区の『月見湯温泉』や『そしがや温泉21』なども。遠出をせずとも仕事終わりに温泉に浸かれる銭湯があることも銭湯の魅力の1つだと思います」
3.80~90年代カルチャーブーム
「銭湯の多くは10~30年の周期でリニューアルや設備改装を行うことが多いので、数十年前のデザインがタイルなどに残っている場合があります。銭湯の特徴である富士山のペンキ絵以外にもタイル絵などがあり、江戸川区の『一心湯』や世田谷区の『藤の湯』など、レトロな雰囲気が若年層を中心に人気を博しています。銭湯に行ったらぜひ、デザインにも注目してください。レトロかわいいんです」
4.銭湯でイベント開催も
「ここ数年、銭湯をPRの場として活用するケースが増加しており、銭湯でイベントなどを楽しむことができます。ビールの試飲ができたり、VRで絶景を見ながら入浴できたりと、イベントを探して参加するのもおもしろいと思います」
5.世代に関係ないコミュニケーション
「弊社ではメディア運営以外に埼玉県で銭湯『喜楽湯』の運営も行っています。20〜30代の若年層が番頭、スタッフです。そこで感じるのは、銭湯の仕事をしてみたいという若者が増えてきたということ。地域でのつながりが薄い昨今、若い方々にとって皆でやる浴場掃除やフロントでのお客さんとの会話は、『非日常』という部分が魅力的なのではないでしょうか」