医師がすすめるカラダにイイこと!教えてDr倉田
「何個チョコをもらえた?」
友人たちと競い合ったり、自慢したり、男子にとっても心騒ぐ「バレンタイン」でチョコレートをもらったことでしょう。最近は、女性や友達同士の「友チョコ」という習慣があるようですね。
チョコの成分が健康や美容に役立つ作用から、管理栄養士や看護師と共に、『チョコから生まれた”カカオ点滴”』を開発したり、国内菓子メーカーのチョコ販売促進に関わるなど、
チョコ好き医師”の視点からご説明しましょう。
良薬は口に苦しな”チョコレート”?
チョコレートの原料「カカオの木」は、学名「神様の食べ物(テオブロマ・カカオ)」です。
現代でもカカオの産地として知られる、メキシコやグアテマラなど中米、ブラジルやベネズエラなど南米のアマゾン川流域では、紀元前2000年マヤ文明やアステカ文明の頃から、王族貴族に「不老不死の薬」として愛飲されていました。
単なる「カカオの絞り汁」で甘味が無く、非常に苦い飲み物で、含まれている鉄や亜鉛などのミネラルやカフェインの作用から「強壮剤や栄養剤」として1日何10杯も飲んでいたんだとか。いくら効果があっても、苦行や苦痛ですよね??
中南米を征服したスペインを経由し「カカオの絞り汁」は、16世紀頃ヨーロッパに広まりましたが、相変わらず苦いままで、19世紀に入りようやく砂糖やミルクが加わり美味しい食べ物になりました。日本では、「チョコレートは固形で、液体はココアで別物」と考えられがちですが、海外では「ココア=ホットチョコ」で、チョコとして扱われています。
カカオ豆を砕いた「カカオマス」から脂分を搾り取った残りが「ココア」。
「カカオマス」に糖分を加えたのが「ビターチョコ」、糖分+ミルクを加えたのが「ミルクチョコ」です。なお、「ホワイトチョコ」は、カカオマスを除いている、異色のチョコです。
現代科学では、カカオに含まれるポリフェノールが「血圧を下げる効果や動脈硬化を抑える効果」など、健康や若返り(アンチエイジング)に良いことが分かってきましたが、
おそらく昔の人々も言い伝えや経験からカラダに良いと知っていたのかもしれませんね。
現代女性を悩ませる“便秘”??
2015年に便秘で治療を受けた方は20.9万人(厚生労働省患者調査より)で、20年前に比べ約2倍に増えています。
便秘は「大腸に便が溜まり、排便が順調に出来ない」状態で、一般的には「排便回数が週3回未満」(治療としての定義はもっと複雑)です。
「便秘は病気ではない」と考える方もいるのですが、男性に比べ、2倍弱もの女性が便秘に悩んでいるようです。
なぜ女性に便秘が多いのでしょうか??
「女性ホルモンによる腸の動きの低下、ダイエットや欠食、水分不足や運動不足、ストレス」、男性に比べて「職場や外出先のトイレが綺麗ではなかったり慣れない場所だと、排便を我慢してしまいやすい」ことも関係があります。さらに市販の便秘薬や下剤を長期に使い続けた結果、腸の反応や運動機能が低下してしまい、便秘が悪化してから、医療機関を受診される方もいます。