
2018年10月の欧州議会で、ストローやレジ袋などのプラスチック製品の使用禁止が決まるなど、世界的にプラスチックを減らす、リサイクルすることに関心が高まっている。
ペットボトルやプラスチックのリサイクルは現状、どのくらい進んでいるのか。そして普段、日常的に毎日手にするペットボトルやプラスチック類などは、どのように捨てるのがいいのか、ぜひ知っておこう。
欧州議会で2021年からプラスチック製品流通禁止法案が可決
プラスチック類についてここ最近、関心が特に高まっている背景は、2018年10月24日、欧州議会本会議において、使い捨てプラスチック製品の流通が2021年から禁止する法案が可決されたことにあるといわれる
禁止の対象となるのは、ストローやレジ袋など、一般利用10品目の使い捨てプラスチック製品だ。
禁止の背景には、従来からの海洋汚染ごみの8割以上がプラスチック(廃棄物・ごみ)に由来している事実があり、禁止法案では、その7割が禁止対象となった。
これを受け、今後は欧州連合(EU)各国それぞれ国内規制が進んでいくことになる。
参考:JETRO「欧州議会本会議、使い捨てプラスチック製品の禁止法案を採択(EU)」
ペットボトルの現状と捨て方
世界的にプラスチック類の処分についての関心が高まる中、日本では現状、どうなっているか。まずはペットボトルのリサイクルについて確認しておこう。
日本容器包装リサイクル協会の企画広報部の担当者に現状を教えてもらった。
「PETボトルリサイクル推進協議会によると、日本における使用済みPETボトルのリサイクル率は84.8%(2017年度)。欧州、米国に比べて2~4倍の世界最高水準のリサイクル率となっています。国内では29.8万トン、海外では20.1万トンがリサイクルされ、シート、繊維やPETボトルなど価値の高い製品に生まれ変わっています。これによりCO2排出量の削減など環境負荷も低減されています。
一方で、ポイ捨てや不法投棄が根絶されていないことも事実です。引き続き、分別排出、リサイクルを推進していくことが求められています」
参考:PETボトルリサイクル年次報告書2018(PETボトルリサイクル推進協議会)
ペットボトルについては、日本は世界的に見ても水準が高いようだ。このような中、日々ペットボトル飲料になじみ深い消費者としては、正しい捨て方を知っておきたいもの。
担当者に、正しい捨て方、NGな捨て方を教えてもらった。
「キャップとラベル、PETボトル本体を分別して捨てる『分別排出』が基本です。お住まいの市町村のルールにしたがって分別排出することによって、PETボトルやプラスチック製容器包装は新しい資源に生まれ変わります。
PETボトルの場合は、キャップとラベルをはずし、簡易洗浄して、分別排出します。キャップのリングは開けた後、ペットボトル本体についたままで、取りにくいですが、処理工程で分別できるため、無理に外す必要はありません」
ちなみにコンビニ弁当やヨーグルトのカップ、カップラーメンの容器、ポテトチップスの袋、わさびチューブ、精肉トレイなどの、いわゆる「プラマーク」がついているプラスチック製容器については、どのように捨てるのが正解なのだろうか。
「プラスチック製容器包装は、中身を使い切って、汚れが付いているものは簡易洗浄して、分別排出します。発火の恐れのある電池や事故・感染の恐れのある医療系廃棄物の混入はNGです」
プラスチック製容器包装 分別排出ルール 基本(日本容器包装リサイクル協会)