もつ鍋といえば、好き嫌いが分かれる鍋。もつは好きな人は好きだが、苦手な人もいる食べ物のひとつ。中には食わず嫌いもいるかもしれない。そこで、九州博多のもつ鍋専門店 やまやに、もつ鍋の食わず嫌いや苦手意識をもつ人に向け、美味しく食べる、克服するコツを聞いた。
もつはなぜ好き嫌いが分かれる?
「もつ」は鳥獣肉の臓物(ぞうもつ)つまりホルモンのこと。なぜ好き嫌いがはっきり分かれるのか。株式会社やまやコミュニケーションズの宣伝・広報・イベントチームの江口勝彦さんは次のように話す。
「ホルモンアレルギーの方は別ですが、牛の内臓というだけでイメージから食べず嫌いの方がほとんどであると思います。また、カロリーが高いイメージと脂が多いイメージが強いのも理由かと思われます。本来、福岡では、もつはすぐ鮮度が落ちて食べられなくなることから、『放るもの』などと言われていたものでした。それがかえって、炭鉱の炭鉱夫たちの間では、鮮度のいいものをすぐに食べられたので、もつ鍋は人気の元気が出る鍋でもありました。そんなこともあり、焼肉・ステーキは上流の食べ物で、ホルモンは一般庶民の食べ物、と一線引かれたこともあるかもしれません」
かつて、もつが食べ始められたのは、福岡県の北東部から中部にかけての筑豊炭田(ちくほうたんでん)で働く炭鉱夫たちだったといわれる。ホルモンを用いた鍋や焼肉は安価であるため、労働者たちにとって気軽に食べられ、栄養もあるとされ、人気を博した。
「確かにホルモンは賞味期限が短く、肉のように熟成させることができないので、昔は保存方法が怠慢だったことから、捨てるしかなかったのだと思います。
品質の悪いホルモンは、皮の厚い、噛んでもなかなか食べられないといったイメージがありますが、やまやのもつ肉は国産のもつで、特に牛の小腸のみを100%使用しています。今までのイメージとは違って、本当に美味しかったとご意見をいただいています」