厚生労働省は今年、企業などがデジタルマネーで給与を従業員に支払えるよう規制を見直す方針を固めたという(日経新聞記事より)。今後、デジタルマネーの利用が増えていくと考えられる。ここでデジタルマネーをおさらいしておこう。ファイナンシャル・プランナーの西岡奈美さんの解説のもと、それぞれのデジタルマネーの特徴、メリット・デメリットを紹介する。
いま導入するならどれ?5つのデジタルマネー比較!
もし給与のデジタルマネー解禁がされれば、今後、デジタルマネー利用者も増えると予想される。そこで、給与受け取りに限らず、西岡さんに現時点で、導入におすすめのデジタルマネーを順番に挙げてもらった。
ここでの「デジタルマネー」の定義は、貨幣を使わず、電子情報のみで代金支払いができる仕組みのこととする。いわゆる電子マネー以外にも、クレジットカード、デビットカードも含む。
すでに身近な決済手段もあるが、それぞれの特徴とともにおさらいしておこう。
1.スマートフォン決済
●メリット:財布を持たなくても良い・ポイント還元率高い
●デメリット:対応していないスマホもある
「スマートフォン決済が一番おすすめだと思っています。私の主人もPayPayをおこづかいの一部で利用するようになりました。メリットは財布を持たなくても良いことと、現段階ではキャンペーンなどの実施により、ポイント還元率が高いということです。財布は持たなくてもスマホは片時も離さず持ち歩く人が多いでしょう。これから大きく広がっていくと思います。
デメリットは、FeliCaという決済システムを利用する場合、対応していない機種があるということです。ただ、先にも挙げたPayPay等で利用するQRコード決済はカメラを搭載した端末であれば利用可能です」
2.クレジットカード
●メリット:多くの場所場面で使える・お金がなくても買い物できる
●デメリット:他のデジタルマネーに比べ、決済に時間がかかりがち・使いすぎてしまう傾向も
「今後、市場が成長するにつれて変わってくると思いますが、現時点ではクレジットカードを2番目に選びました。メリットは使える場面が、他のデジタルマネーより多いことです。そのほか、ポストペイ(後払い)方式なのでお金がなくても買い物ができることです。ただ、お金がないのに買い物すること自体はおすすめしません。
デメリットは、サインが必要になったり、バックヤードのレジにカードを持っていて決済する店舗があったりなど、他のデジタルマネー決済より時間がかかりがちである点と、ポストペイ(後払い)方式なので「まあ、大丈夫だろう」と使いすぎる傾向があることです」