パワーユニットは2.5Lダイナミックフォースエンジン×ハイブリッドシステム=THSⅡのままながら、専用装備としてフロントグリル、リヤスポイラーなどスポーティーなエクステリアパーツをはじめ、ブラック塗装の18インチアルミホイール、左側2本出しマフラーカッターを設定。インテリアも専用シート、パドルシフト、メタリックな風合いのインストルメントパネルオーナメントを採用。さらにボディーカラーにはWS専用色としてアティチュードブラックマイカ×ダークブルーマイカメタリックを含む3種類のツートーンカラーを新規設定。
走行性能においてもより応答性の高い操舵(そうだ)フィーリングとフラットな走りを追求したサスペンションチューニングを行っているのだから、まさに”HVスポーツセダン”と呼ぶにふさわしい仕上がりが期待できるのだ。
実際に走らせてみると、そもそもプリウスと比べ、圧倒的な低重心で、高級感に満ちた乗り心地、室内の静粛性、操縦安定性の高さにさらに磨きがかかった印象が持てた。大径18インチタイヤ&スポーツサスペンション装着でも乗り味はしなやかで体にやさしいタッチに終始。その上で山道や高速レーンチェンジなどで発揮される低重心感覚、安心感たっぷりのリニアな操舵(そうだ)フィールを発揮してくれるのだからたまらない。
そうそう、カムリは実燃費性能も素晴らしい。例えばトヨタの東京本社から成田空港までの一般道10%、高速走行90%という場面で、なんとモード燃費28.4km/Lの約90%に相当する25.4km/Lの燃費を記録。条件によってはプリウスを凌(しの)ぐこともありそうだ。
その驚異的な燃費性能を支えるひとつが、モーターだけで走行するEVモード。強制的にEVモードに入れるEVモードスイッチもあるのだが、実はアクセルペダルもEVモードスイッチとなる。つまり、EVモードに入れやすくするには、一度、アクセルペダルを戻し、EVモードに入ったところでジワジワとアクセルを踏んでいくことでEVモードをねばり強く行ってくれるようになる。今回の高速走行でも80km/hでもEV走行、モーターだけで走るクルージングを体験できたのである。