恋愛の「好き」は長続きせず、結婚の「好き」は恋愛とは違い、安定的な「好き」である、などはよく言われることだ。30代以降になると、やはり理想的なのは相性の良い相手と巡り会い、できるだけ長く「好き」を安定的に続けることではないか。
心理学的には、恋愛と結婚の「好き」にはどんな違いがあるのか、そして恋愛の好きを結婚の好きに発展させるコツを、恋愛心理コーチの宮正樹さんに聞いた。
恋愛の「好き」と結婚の「好き」の違い
よく話題になるのが、結婚すると恋愛感情は薄れ、結婚相手としての「好き」に変わるということだ。恋愛心理学では、恋愛と結婚のそれぞれの「好き」という感情にはどんな違いがあるのだろうか。宮さんは次のように解説する。
●フェニルエチルアミンの有無
「恋愛の『好き』は脳科学的に言うと、フェニルエチルアミンという脳内麻薬が出ている状態で、周りが見えていない状態です。フェニルエチルアミンは長くても3年でなくなります。一方、結婚の『好き』はフェニルエチルアミンが切れた状態でも、相手に対して“尊敬”や“一緒にいたい”という思いがある状態のことです」
●感情・感じ方
「恋愛の『好き』はドキドキ。結婚の『好き』は安心感です」
●何人に対して持つか
「恋愛の『好き』は複数人に言える。結婚の『好き』は一人に言えること、という違いもあります」
フェニルエチルアミンが切れた頃にどうするか?
恋愛の好きと結婚の好きとの大きな違いは、フェニルエチルアミンの有無。では、なくなってしまう3年たった頃には、どのようにするのが良いのだろうか。宮さんは次のように話す。
「フェニルエチルアミンがなくなってきたときは、いわゆる『冷めた』状態になります。今までは『好き』という思いが先行しており、好きというフィルターで相手を見ていたところ、冷静に一人の人間としてみるようになります。そのため、相手の悪い部分もしっかり見えてきて、『どうしてこんな彼(彼女)のこと好きだったんだ?』という思いが出てきてしまいます。
関係を続けたい場合は、お互いの『成長』が大切になります。好きが先行せずに相手を見るというのは、ある意味会社の同僚や友達を見る目と同じになります。
あなたは友達としてどんな人が好きですか? おそらく『一緒にいて楽しい人』や『尊敬できる人』ですよね。『楽しい』という感覚は、ほとんどの場合『会話』が占めています。そのため、お互いの関係の継続の鍵を握るのは会話です。また相手を尊敬し、自分も尊敬されるようになることも大切です」