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本当に30kgの荷物を軽々と持ち上げられるか?JALが採用したパワードスーツ「ATOUN MODEL Y」体験レポート

2019.02.18

パワードスーツ体験取材と聞いて思い浮かぶのは、アイアンマンである。人間離れした力と強固な装甲に加え飛行機能まで備えている。生身の人間が着るだけでスーパーマンになれる。今回、JALが導入を発表したATOUN『ATOUN MODEL Y』は、パワードウェアと名付けられ着るように装着できるという。

『ATOUN MODEL Y』は重さ約4.5kg、左右に2個のモーターがあり、リチウムイオンバッテリーを内蔵して約4時間駆動できる。本機の装着で約20%の運搬効率が向上したという実験結果がある。価格は約70万円。今回、JALの手荷物・貨物搭載作業を担当するJALグランドサービスが、羽田空港と成田空港で合わせて20台を導入。すでに2月1日から現場で稼働中なのだ!

Report

JAL傘下のJALグランドサービス代表取締役社長 中村泰寛氏によれば、羽田空港で扱う荷物の数は国内線で3万5000個、国際線で1万個、合計4万5000個(2月11日調べ)にもなるという。作業は早朝5時から深夜12時までにおよび、飛行機1便で1人が数百個の荷物を扱うことになる。同社の従業員は3000人で、その中で15人程度が腰の故障のため現場を離れているという。腰に問題が起きた人、高齢者や女性を優先して『ATOUN MODEL Y』の装着を開始。現在は、まだパワードスーツに慣れる期間であり、その効果が現れるまで1〜2ヵ月はかかるだろうと中村氏は語った。

『ATOUN MODEL Y』を選択した理由については、試してみた10社の製品の中で現場の評判が良く、着脱が容易で、装着したまま歩くことが容易であること。そして、拡張性・発展性があり、開発元のATOUN社と共同でアーム(腕)のアシスト機能を開発していきたいと思ったこと。最後にATOUNのビジョンに共感できたことの3点を挙げた。

JALグランドサービス 中村泰寛氏

●パワーバリアレス社会の実現を目指す!

ATOUNはパナソニックと三井物産の合弁会社で、あうんの呼吸でロボットを着ようという理想と精神からATOUN(あとうん)と名付けられた。POWERED WAREと名付けたパワードスーツの開発、製品化により、年齢や性別に左右されずに働くことのできるパワーバリアレス社会の実現を目指している。代表取締役社長 藤本弘道氏は、JALグランドサービスと共にMODEL Yをアップデートすることで、腰だけでなく腕のサポートもおこなえる機能の開発を進めたいと語った。

ATOUN 藤本弘道氏

●グランドハンドリングで対決するATOUNとCYBERDYNE

空港内のグランドハンドリングの中で手荷物取扱業務は機械化が難しい肉体労働である。特に荷物をていねいに扱おうとすると腰の高さを固定したまま重量物を運ぶことになり負担が増加するという。腰への負荷を軽減するために開発されたのが、作業支援用のパワードスーツである。つまり、我々のイメージするパワードスーツは重い荷物を軽々と持ち上げることができるが、腰の負担を軽減するタイプは装着しても、持ち上げる荷物の重さはゼロにはならないのだ。

JALが採用を決めた『ATOUN MODEL Y』は腰に掛かる重さを疲れにくい大腿部に回避させている。さらに中腰姿勢を維持するブレーキモードも備えている。ANAも2016年からCYBERDYNEの「HAL腰タイプ 作業支援用」のトライアルを開始して、その有用性を認め2017年から導入台数を大幅に増やしている。こちらは約3kgの軽量モデルで約4.5時間駆動、装着した人間の生体電位信号を読み取って、動作をアシストする仕組みだ。

『ATOUN MODEL Y』は持ち上げた重量を背面のフレームを使って太股に逃がしている。

『ATOUN MODEL Y』は物流、製造、災害対策、農業など広い職種で使える。

現行モデルに別パーツを加えるだけで、腕もアシストできるシステムを考案中。

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