施設機能でも多様性を意識
The Spheresはオフィスとしての機能はもちろん充実していて、館内にはセミナーを行うスペースも設けられています。エレベーターもあり、全体がバリアフリーで移動しやすいよう配慮されています。トイレもその対象で、男女の区別がなく入口もオープンになっていて、そんなところでも生物の多様性を意識していることが感じられました。
The Spheresは基本的にAmazon社員のためのオフィスですが、毎月第1、第3土曜日は一般にも公開されていて、公式サイトから無料で予約できます。見学日以外で1階にあるビジター施設「Understory」は毎日オープンしていて無料で入れます。The Spheresの模型や植物のサンプルなどがいろいろあってそこだけでも楽しめます。
ビジター向け施設があるオフィスはアメリカでは他にもありますが、ここまでオープンスタイルというのはかなり珍しく、憩いの場だけでなく研究施設としても機能させようというアイデアは、世界をマーケットにする巨大企業ならではとも言えそう。触発されて、こうしたオフィスのスタイルがこれから増えるかもしれませんね。
文/野々下 裕子
フリーランスのライターとしてデジタル業界を中心に、国内外の展示イベント取材やインタビュー記事の執筆を手掛ける。注目分野はAI、ロボティクス、オートモーティブ、デジタルヘルス、ウェアラブル、テック系スタートアップ市場など。神戸在住。https://twitter.com/younos