最近は、オンラインで会議をすることも増えてきた。しかしリアル会議と比べてなんだか盛り上がりに欠けるという勝手なイメージがある。実際のところどうなのか? また会議をより盛り上げるためのポイントを議論を極めた男に聞いた。
オンライン会議でも議論は白熱する
今回、議論について教えてくれたのは、ディスカッションパートナーの黒田悠介さん。さまざまな企業とのリアル会議やオンライン会議を繰り広げている「議論メシ」というコミュニティを運営する。
昨今、リモートワークなどが浸透しつつあり、オンライン会議の機会も増えてきた。しかし画面の向こうにいる存在を相手にしていることや、マイクに向かってしゃべる具合が慣れないこともあり、なかなかリアル会議のように議論が白熱しないようなイメージがある。オンラインでも白熱するのだろうか? 黒田さんに聞いてみると…
「オンライン会議でも、議論は白熱します! 議論が『白熱』する理由は、その場にいる人たちの観点がそれぞれ異なっているからです。これはオンラインでもオフラインでも同じです。異なる観点が摩擦を生み、それが熱を生むわけです。そして、その熱で化学反応が加速して思わぬ化合物に発展することもあれば、逆に熱によって消し炭になってしまうこともあり得ます。
私が議論メシで目指しているのは前者の化学反応なので、穏やかな摩擦が起きるようにファシリテーションしたり、コミュニケーションの文化を醸成したりしています。もし白熱しない議論があるとしたら、それはオンラインやオフラインの話ではなく、異なる観点が抑え込まれているだけかもしれません」
オンライン会議でも、違和感のない通信環境や物理的な環境が整っていれば、リアル会議と同じように議論に集中でき白熱させることもできるようだ。
会議を意味のあるものに!議論を白熱させる3つのコツ
オンライン会議もリアル会議も、時短効率化が求められている。しかし意味のない会議は避けたいものだ。
そこで、議論をより白熱させ、実のある会議にするためのコツを黒田さんに聞いた。
1.グランドルールを共有する
「“この場”におけるルールをはっきりさせておくことで、皆が安心して発言することができるようになります。議論メシでは『Flat』『Positive』『Collaborative』をグランドルールに掲げています。Flatは自立した個人同士の対等な関係、Positiveはポジティブに発言して行動する、Collaborativeは他者の言動を受け入れ乗っかる、ということです」
2.意見と人格を切り離す
「白熱してきたときに意見に対するフィードバックがいつのまにか人格への攻撃になってしまっては、場が荒れてしまいます。あくまで議論で対象にするのは意見であって、人格ではありません」
3.否定と批判を分けて考える
「否定は、意見や観点をそのまま拒絶してしまう主観的な感情と言えます。逆に、批判は分析を経て正確な理解を目指す客観的な思考と言えます。それらを明確に分けて考え、議論中は否定したくなっても避け、批判を取るのが理想です」