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216個の抵抗がズラリと並ぶ!XI AUDIOの温故知新DAC「SagraDAC」

2019.02.11

Impression

このDACはヘッドホンで試聴したところ魅力的な音質だったので、スピーカーで再生したらどうなるのだろうと思い試聴機を借用した。その時の印象は、なめらかでウォームな音色だった。特に女性ボーカルを聴くと心地よかった。基本的には柔らかい音のDACなのかなと思ったのだが、佐山雅弘トリオ「メモリーズ・オブ・ビル・エヴァンス/マイ・ファニー・バレンタイン」(96kHz/24bit)をApogee『Duetta Signature』で再生する。音量を上げていっても歯切れが良く、アタックが鋭い。ハイハットのスピード感も出る。単なる美音系DACではなかった。

井筒香奈江「Laidback2018/You Are So Beautiful」(192kHz/24bit)では、ささやくようなボーカルはなめらか、ピアノは骨格がしっかり感じられ、ベースの低域はうなるような響きがでる。透明度の高い音で音像定位がすごくいい。これまでもDACによって音質が変化するというメーカーと、DACよりも全体の回路設計やアナログ部分が重要なのでチップを変更しても音の傾向は変わらないというメーカーが存在した。例えば、Astell&KernのハイエンドDAPは、常に最新の高性能DACを採用しているが、その音は誰が聴いてもAstell&Kernだと分かる。私も経験上、オペアンプを交換するとDACの音が変わることは分かる。

しかし、今回は1bitDACとマルチビットDACの音の違いに愕然とした。音色が違うといった生やさしいものではなく、音楽の表現の仕方が根本的に違う。同じ風景を描いても水彩画と油絵ほど画材に違いがある。『SagraDAC』の音は、ガラスのような透明感がある。コントラスが鮮やかで小音量でもクッキリと聞こえる。これに対してリファレンスで使っているResonessence Labs『INVICTA MIRUS PRO』はESS/ES9038PROをデュアルで使っている。32bitで動作してS/N比は132dB(8ch)で1チップに32個のDACを内蔵してステレオモードでは片chで16個のDACを並列動作させている。こちらの音はとても細かい音の集合体で音楽を形成する感じで、圧倒的に情報量が多く緻密な空間が描かれる。しかし、真空のような見晴らしの良さはなく、無音の部分にも何らかの音の粒子が漂うような気配がある。

『SagraDAC』の方が割り切りが良く、ここから先はゼロ、ここからは音があるという切れ目がクッキリ描かれる。そのため小音量再生でもメリハリがあり聞きやすく、音量を上げればクッキリと彫りの深い音になる。『INVICTA MIRUS PRO』は音楽の全てを音の濃淡で現そうとするため、その輪郭は拡大すると線ではなく点で描かれている。どちらがいいかは組み合わせる機材や再生する音楽のジャンル、楽器、規模、歌い方、そして最後は好みの問題である。

『SagraDAC』が49万円という現実的な価格で登場するというニュースは、オーディオファンにとって嬉しい選択肢が増えたと言える。DACの音なんて、どれを聞いてもそんなに変わらないと思っている人は、ぜひ試聴していただきたい。

写真・文/ゴン川野

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