■連載/石野純也のガチレビュー
昨年、鳴り物入りで上陸したOPPOが、2018年の締めくくりとして投入したモデルが、「R17 Pro」だ。この製品は、明るさによって切り替えるデュアルカメラを搭載しており、明るいときはF2.4、暗いときはF1.5に自動で切り替える。光量の十分な場所では不必要に背景をボカすことなく、暗いところでのみ明るいレンズを使うというわけだ。
さらに、他社のハイエンドモデルに先駆けてディスプレイ内蔵式の指紋センサーを搭載。スピーディな顔認証と使い分けることで、スムーズな画面ロック解除を実現する。指紋センサーがディスプレイの中に埋め込まれた結果として、ベゼル幅が狭くなっているのは大きなメリットと言えるだろう。
チップセットにはSnapdragon 710を採用。ミドルレンジ以上、ハイエンド未満といったクラスのスペックで、価格も約7万円とSIMフリースマートフォンの中ではやや高めだ。一方で、SIMフリースマホは、3万円前後がボリュームゾーン。これは、大手キャリアに比べると割引が少ないためだが、やはり高価格帯の端末はなかなか手が出しづらいのが実情だろう。この端末はそのお値段に見合った性能なのか。実機をチェックしてみた。
指紋センサーがないすっきりしたデザインと使い勝手を両立
まず外観だが、指紋センサーがベゼル部分に配置されていないこともあり、非常にスッキリとした印象を受ける。上部にインカメラを搭載するためのノッチはあるものの、これもいわゆる“しずく型”で、カメラのレンズ部分とその周囲がディスプレイに食い込んでいる程度。センサー類を多数搭載した大型のノッチに比べると、目につきづらい。
ベゼルの幅を稼ぐために、指紋センサーを側面や背面に搭載する端末もあるが、このモデルの場合は画面内に埋め込まれている。そのため、背面もカメラ部分以外は凹凸がなく、スッキリしたデザインに仕上がっている。光沢感の強いギラっとした仕上げは好みが分かれるところかもしれないが、高級感は十分といえるだろう。
単に見た目がよくなるだけでなく、ディスプレイ内部に指紋センサーがあるということは、前面に指紋センサーがあるのとイコールだ。そのため、端末を机やテーブルに置いたままロックの解除をしたいようなときでも、本体を持ち上げる必要なく指を置くだけで作業が終わる。デザイン性と利便性を両立させた仕様というわけだ。
ただし、ベゼルに指紋センサーを搭載した一般的なモデルと比べると、認証の速度はやや遅めだ。また、画面内のどこに指を置いてもOKというわけではなく、画面下中央にきっちりタッチする必要がある。画面内に指紋をどこに置けばいいか表示されるため、迷う心配はないが、目視しなければならない点は、ベゼルに置かれた物理的な指紋センサーとの違いといっていい。
より素早くロックを解除したい人は、顔認証を併用するといいだろう。この設定をしておけば、顔が読み取られると一瞬で画面のロックが外れる。速度的には指紋センサーよりも、圧倒的に上だ。そのため、通常は顔認証を使い、光が強すぎたり、暗すぎたりと、何らかの理由でそれが使えないときだけ指紋センサーを使うことをオススメしたい。