真冬に突入し、日増しに冷え込みが厳しくなってきました。寒い日が続くと、冷えをはじめ体に不調が生じるという方も多いと思います。冷え性と言えば女性に多いイメージですが、ユニクロが全国の10代~60代の男女1236名に調査した結果、冷え性の男性“冷え男(ヒエダン)”が増えていることが判明。さらに、男性のほうが冷え対策を実施していないこともわかりました。ただ体が冷えるだけと思われがちですが、実は冷え性は薄毛やガンなどの原因にもなり得ること、ご存知でしたか? そこで、温めの専門家である東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科の川嶋朗先生に、冷え男が増えている背景についてお伺いしました。
冷え性は女性だけではなかった! 4人に1人は“冷え男”になっている
ユニクロが実施した調査によると、「冷えで悩んでいる」と回答した男性は計26.5%。つまり、4人1人が冷えに悩んでいることが明らかになりました。
川嶋先生によると、運動不足からくる筋肉低下やストレス増加による血行不良により、男性の冷え性も近年増えているそうです。さらに、上記の調査結果に対して川嶋先生は「男性は冷えを自覚していない可能性が高く、隠れ冷え性も多くいると考えられます」と、見解を示しました。
【調査概要】
「あなたの周りの冷え男調査」
主体:ユニクロ/方法:インターネット調査/期間:2018年10月26~27日/対象:10代~60代男女1236名
放っておくと怖い! 冷え性が引き起こす深刻な問題
男性は女性と脳のつくりが異なるため、冷えに対して無自覚になってしまうので、深刻な問題(重篤な疾患)にまで発展してしまう可能性もあるそうです。冷えによる体調の変化について川嶋先生に聞いてみると「男性が冷えると、薄毛やガン、うつ病などにつながる可能性がある」とのこと。
体が冷えることで血液も冷えて血行不良になり、上記のような症状を引き起こします。頭皮が血行不良になると十分に酸素や栄養が行き渡らなくなり、薄毛につながることも。また、血行不良によって酸素がガン細胞に届きにくくなります。この状況は、酸素を使わずに増殖するガン細胞にとっては好都合。加えて免疫細胞のスピードも落ちるので、ガン細胞の処理スピードも落ちてしまうそう。そして、栄養素や酸素が脳に届きにくくなると、脳での神経伝達物質の合成も落ちてしまうので、うつ病につながってしまうとのことです。
薄毛やガン、うつ病も冷えと関係しているなんて、驚きですよね。冷え性は「ただの冷え」と見過ごしてはいけない問題のようです。
なんとなく寒い…は隠れ冷え性かも!? 川嶋先生監修“冷え性チェックリスト”で診断
読者のみなさんも、自覚症状が少ない“隠れ冷え性”になっている可能性が大いにあります。そこで、川嶋先生監修の「冷え性チェックリスト」をもとに、ご自身が冷え性かを診断してみましょう。
一見、冷えとは関連がなさそうな症状も、冷え性の症状に挙げられるそうです。1~3個当てはまった方は、それらの症状は冷えが原因であると考えられます。また、4個以上当てはまった人は「冷えの可能性大」。あなたはいくつ当てはまりましたか?
今年の冬から冷え対策も万全に。体を温めるコツを紹介
冷え対策を行っているか調査したところ、60.2%の女性が冷え対策を行っているのに対して、男性は35.8%しか冷え対策を実施していませんでした。あらゆる症状を引き起こす冷え、きちんと対策しておきたいところです。
一般的な冷え性対策としては、「適度な運動をする」「お風呂で湯船に浸かる」「ストレスを溜めない」「体を温める食事を心掛ける」などが挙げられます。通勤時に歩く距離を増やしてみたり、デスクワークが多い方は時折ストレッチをしてみると良いと思います。
また、お風呂に入るときはシャワーのみで済ませず、できるだけ湯船にゆっくり浸かりましょう。適度な運動や湯船に浸かることは、血行が良くなるだけでなく、ストレス解消にも効果的だと言われています。
また、玉ねぎやニンニク、ショウガなどの血液の流れを良くすると言われている食材を積極的に取る、温かい飲み物を飲むようにするなど、体を内側から温める方法もおすすめです。