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アイロボットのコリン・アングルCEOが語るロボット掃除機『ルンバ』の開発秘話

2019.02.22

ルーティンな仕事よりも新たな問題を解決するほうが好きですね

コリン・アングル氏

――その後、日本市場へ参入されるわけですが、最初は失敗して撤退されたそうですね。

「最初のパートナーだった会社は、『ルンバ』をオモチャとして位置づけて大失敗し、1年あまりで撤退することに……。なので再び日本市場へ参入した際は、『ルンバ』は〝ハイエンドな掃除機〟と皆さんに認識してもらえるような戦略に切り替えて成功しました」

――日本の市場は、他国と比べてどんな違いがありますか?

「日本ではロボットは怖いものではなく、問題を解決してくれるもの、高齢者などの自立生活を助けるものと認識されています。また消費者の要求するレベルが非常に高く、品質や性能に対する期待値も高い。そのため日本のスタッフと密に連絡を取り、『ここが不評だ、すぐに改良したほうがいい』という助言を真摯に受け入れることで、新たな製品の開発に取り組めたのです。この要求に応えることで、アイロボットは成長できたと思っています。日本の消費者に納得してもらえれば、他国の消費者も必ず満足させられますから」

アングル家の『ルンバ』はあの有名な基地の名前!

――ところで、『ルンバ』に猫などの動物が乗った画像や動画がネット上にあふれていますが、そんな光景を想像していましたか?

「ノー! 初めて見た時はクレイジーだと思いましたよ(笑)。でもソーシャルメディアで注目されるのはとても大切なことだとも思っています。『ルンバ』を発売した当初は会社として小さかったので広告宣伝費をかけられず、SNSやメディアが取り上げてくれることが製品の認知度を高めてくれる最重要ツールでした。日本では平昌オリンピックでカーリング女子が銅メダルを獲った時に、『ルンバ』をカーリングのストーンに見立てるのが流行ったそうですが、『ルンバ』はあくまで掃除機なので、それ以外の使用は避けてくださいね」

――『ルンバ』に名前をつけて家族の一員のように接している人も多いと聞きますが……もしかしてご自身も名前をつけていますか?

「はい、我が家の『ルンバ』は『ラズウェル』です。有名な軍事基地の名前から取りました。UFOの出没で有名なところです(笑)」

難しい課題とぶつかったらとにかく寝る、のが解決法

――アングル氏は様々な発明をしてきましたが、アイデアはどんな時に浮かぶのでしょう。

「まずは『具体的な問題を解決したい』と考えている時ですね。昔、ロボットアームを作ったのですが、それを機能させるにはどうしたらいいのか、と考えに考え続けると、その先にアイデアが浮かびます。一方で、急に答えが頭に浮かぶこともあります。朝目が覚めて、まどろんでいるような状態ってありますよね。そんな時にパッと浮かぶんです。だから朝のまどろみは、私にとって一番クリエイティブな時間といえるでしょう。〝眠り〟というのは重要なツールであり、『難しい課題があったら、とにかく寝る』というのが私の解決法です」

――では最後に『DIME』読者に、ビジネスシーンにおけるアドバイスをお願いします。

「私が人に対してアドバイスする時には、〝What do you want to have happened?〟(何が起きてほしいのですか?)という難しい質問をします。例えば『痩せたい』と言う人がいたら、その人に『どういったことが起きてほしいのですか?』と聞くのです。でも『痩せたい』という言葉には、『体重を減らしたいと思っているのに全然減らない』というただの文句である場合と、『健康のために絶対、体重を減らしたい』という場合があります。後者であれば、食べる量を減らして運動する機会を増やしなさい、とアドバイスをすればいい。ただどんな目標でも、達成するには何らかの変化を起こす必要がある。その変化とは、仕事を変えることなのか、学校に戻って学び直すことなのか――新しい境地に達するには、そうしたリスクを取る必要があると思います。文句を言ったところで、何も変わりはしませんからね。がんばって働いている人であれば、必ず仕事で『もっと成功したい』と考えると思いますが、大概の場合はそのための〝道〟があります。ただその道というのは、決して楽な道ではないことがほとんどで、実践するのはとても難しい。だから、多くの人にとっては、私のアドバイスは耳が痛い話かもしれません」

「海底ルンバ」アレグル氏は、ローコストなロボット技術で環境問題を解決する非営利団体「RISE」を設立。海の生態系を破壊するカサゴを「海底ルンバ」で捕獲する自然保護活動を行なっている。

取材・文/成田 全(ナリタタモツ)

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