テザリングやWi-Fiにも対応。スマホの子機になる機能もほしい
テザリングにも対応しており、タブレットとの2台持ちにも重宝しそうだ。通信速度は下り最大150Mbpsと、最新のスマホと比べると遅めだが、LTEに対応しているため、環境がよければ実用に十分な速度が出る。都内にある筆者の事務所で速度を計測してみたが、テザリング経由で下り22Mbpsと、実用的なスピードが出ていた。LTE対応だからこその速度といえるだろう。
テザリングが可能ということは、当然ながらWi-Fiにも対応している。ケータイとして開発されたため、IFNOBAR xvは、アプリが通信しようとするたびにアラートが出る。初回のみで、以降表示させないことは可能だが、これを利用して通信料を抑えながら利用してもいいだろう。この場合に役に立つのがWi-Fiだ。ただし、残念ながら5GHz帯のWi-Fiには非対応。無線が混雑している場所では、速度があまり出ないおそれはある。
800万画素とスペックは控えめだが、カメラも搭載されている。このカメラで撮影した写真は以下のとおり。画質的にはあまり高くないが、きちんとピントは合っていて、発色も悪くない。最新のスマホのように、ポートレートモードだったり、AIでシーンに合わせた設定をしたりといった機能はないが、とりあえず撮影することはできる。
Androidがベースにはなっているが、あくまで正式なAndroidではないため、Google Playには対応していないが、auスマートパス用の簡易的なアプリを利用できるほか、音楽プレイヤーやauナビウォークといった、スマホ顔負けの機能を持つアプリもプリインストールされている。ただし、欲を言えば、やはりアプリ版のGoogleマップや、Gmailなども使いたかった。電話帳も、Googleアカウントと同期できないため、スマホから機種変更した場合、手動でコピーしなけれならないのは少々面倒だ。
auスマートパスのアプリに対応しているほか、auナビウォークなども利用できる
Google連携ができないことに加え、やはりスマホの子機として使う機能が少々弱い。GoogleアシスタントやSiriを呼び出せる「スマホ音声アシスタント」は搭載されているが、結果は音声でしか返ってこないため、確認には手間がかかる。かといって、ドコモのワンナンバーフォンのように、eSIMでスマホと同じ電話番号を使うといったこともできない。
スマホと併用しようとすると、追加で1回線持たなければならないのは残念なポイント。SIMカードを差し替えるという手もあるが、今、この形状をあえて打ち出すのであれば、eSIMに対応して、気軽にスマホと使い分けられるようにしてほしかった。このような課題はあるものの、モノとして見たときのINFOBAR xvには、やはり魅力がある。回線の維持費用まで考えると決して割安とはいえないが、スマホとは別に持ちたいと思える誘惑にかられる。
【石野’s ジャッジメント】
質感 ★★★★★
ディスプレイ性能 ★★★
撮影性能 ★★★★
音楽性能 ★★★
UI ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
バッテリーもち ★★★★★
持ちやすさ ★★★★★
*採点は各項目5点満点で判定
取材・文/石野純也
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。