職場で一定時間、仮眠を取るのを推奨する企業が増えてきた。しかし、デスクで寝た経験のあるビジネスパーソンの中には、「寝づらかった」「手がしびれた」など、あまり好感触ではなかった経験がある人もいるのではないだろうか。そもそもデスクにおける仮眠で疲れない方法はあるのだろうか。快眠アドバイザーである、株式会社インプリエイトの代表 山本恵一さんに聞いた
デスクで仮眠する際に、疲れにくい寝方
自分のデスクなどで座りながら仮眠を取る際、できるだけ疲れにくい寝方を実践したいものだ。どんな姿勢がいいのだろうか。山本さんは次のように話す。
「デスクで仮眠する場合、デスクにうつぶせて眠るのが一番です。理由としては、1.場所を取らない、2.目立たない、3.安心感(閉塞感)があるからだと思います。通常、寝床で横になって眠るときも同様ですが、人間の頭は重く、隙間があると首などに負担がかかります。そこで昼寝用枕などを活用して、できるだけ隙間をなくし、首への負担を少なくしてあげると、短期間でも心地よく眠れます」
●昼寝用枕の例
OSTRICH PILLOW ® MINI(オーストリッチピロー・ミニ)
OSTRICH PILLOW® ORIGINAL (オーストリッチピロー・オリジナル)
デスクで仮眠をするときに避けたい環境
一方で、デスクで仮眠を取るときには、環境については留意する必要があるそうだ。
「昼寝も夜の睡眠も同様ですが、静かさ、明るさ、温湿度といった環境要素は睡眠の質を大きく左右します。例えば、電話が鳴ったり、人の往来が激しかったり、窓際で明るく・暑かったりするような環境であれば、選ぶことが重要です。また、環境が限られている場合は、耳栓やアイマスクを活用するなどして、できるだけ快適な環境を自分で作るのも必要です」
横になるのは仮眠には向いていなかった?
最近では、社内に仮眠室や仮眠スペースが用意されている会社や、リクライニングチェアやベッドが備わる会社もある。やはり横になった姿勢のほうがいい眠りが得られるのだろうか。
「昼寝は、長すぎると眠りが深くなり、逆に起床時に眠気や疲労感、倦怠感が強くなります。これは『睡眠慣性』と呼ばれるものです。効果的な昼寝の時間は15分~20分程度。
先にお伝えしたように、短時間で質の高い仮眠を得るために、静けさ、明るさ、温湿度といった環境要素は必要ですが、横になって眠ると本格的に眠りに入ってしまい、起きられなくなったり、起床時に逆に不快感を感じてしまうことにもなります」