「ちょっと変わった副業がしてみたい」なら、「レンタル執事」はいかがだろうか?日本では執事というのはまだ一般的ではないが、口コミでジワジワと人気が出ているのがこのサービス。
求められている人材像などについて聞いた。
タキシードを着てお嬢様をもてなす
「お帰りなさいませ、お嬢様」。この一言でレンタル執事の仕事はスタートする。服装はタキシードに蝶ネクタイ(または黒系のネクタイ)、手には白いグローブだ(私服のオーダーもある)。仕事内容は幅広い。買い物に行っての荷物持ち、運転手として自宅と会社間の送迎、愚痴聞きや悩み相談、遊園地やお食事の同行など。お客様は20代半ば~50代の女性が中心だ。
車の送り迎えは別途オプション料金が必要で、国産車の場合は2万円~。送り迎えの半数が外車を希望する。
20~65歳まで登録可能だが、35~45歳のオファーが多いという。ルックスはイケメンでなくてはならないことはないが、清潔感が必要だ。髭はあっても良いが、整えてないのはNGだ。ヘアスタイルはオールバックが基本。金髪、カラーはNGだ。ピアスの穴はあっても良いが、ピアスを着用するのはNGだ。
執事のオファーをするお客様は年齢を指定することが多く、買い物同行の場合はイケメン、高身長の人をオファーする傾向がみられる。ルックスは男っぽい感じを求める人が多い。
仕事を始めるにあたっては研修がある。初級・中級・上級とあり、それぞれ1日1時間程度。マニュアルは5~6Pだ。8~9割は1回で合格するが、ナヨッとしてる場合、再度研修を受けてもらうこともある。
気の利く人が向いている!
向いている人はお客様の周囲に気を配れる人。「危ないのでもっと歩道の方を歩いてください」「段差があるので気をつけてください」「濡れているので滑らないように気をつけてください」などの声掛けができる人だ。性格的には、お客様の一歩後ろを歩いて見守るような仕事なので、俺様気質の人はNGだ。きめ細やかな心配りがお客様の満足度につながる。
海外の執事と言えば家計管理なども行うが、同サービスではお金はトラブルのもとになるので扱わない。買い物同行でもお財布はお客様に持ってもらう。
同社では、同サービスを始めた背景として、レンタル彼氏のサービスをする中で自分の言うことを何でも聞いてくれる依頼はできないかという声が挙がったとしている。「執事というサービスは日本ではポピュラーでないので、日本に新しいスタイルとして広められれば良いと思った」(ファミリーロマンス・石井裕一代表取締役)。
会社員や経営者も働いている!
現在のオファーは月15~20件。うち4割がリピーターだ。土日の11~16時くらいのオファーが多いが、中には平日の朝夕に子どもの送り迎えをしてほしいというオファーもある。
現在。働いている執事は関東圏で20名、全国で30名。会社員が最も多いが、役者や経営者、定年退職者も働いている。
オファーは1日3時間からで、時給2500円、交通費1500円が執事の収入になる。割の良い副業といえるのではないか。
執事の学校をつくるのが夢だという石井社長。もっと執事の認知を広めていきたいという。