インドからは食べられるスプーンが登場
問題視されているのはストローだけではありません。例えばプラスチック製のスプーンやフォーク。人口の多いインドでは年間120億個もの廃棄があることで問題になっていました。
そこでインドのメーカー「Bakeys」が開発したのが食べられるスプーン。
米、小麦、きびと3種類の穀粉で作られていて、食事が終わったらそのまま食べることができます。防腐剤などは不使用で、且つ穀物の粉で作られているとあって栄養面の観点からも注目されているこの商品。
賞味期限は3年間なので、一度に大量購入して保存していても問題ありません。
シュガーやシナモンなどの甘いものから、クミンやジンジャーなどインドらしいスパイシーなものまで沢山のフレーバーが用意されており、食べるものに合わせてスプーンを選ぶこともできます。
スプーンのみならず「食べられるカラトリー」を世界中に広めるため、現在はスプーンだけでなくフォークや箸などのラインナップの開発も進行しているそうです。
今後拡大が期待されるエコなカトラリー市場
日本でもホテル業界や外食産業がプラスチック製ストローの廃止を続々と発表し始めています。
ヒルトンホテルグループ、小田急ホテルグループ、京王プラザホテルなど名立たるホテルが、プラスチック製ストローから紙製ストローへの切り替えを発表しています。
また、東京・永田町にあるザ・キャピトルホテル東急では1月16日から一部のレストランで、薄く切った木材を巻いて作った木製ストローを試験的に使用し、4月までにホテル内の全ての飲食店でプラスチック製ストローの廃止を目指すと発表しました。
サステナビリティが重視される現在、ニーズが高まるエコなカトラリーメーカー
プラスチック製カトラリーの使用が見直されている現在、企業の頭を悩ませているのが仕入れ先とコストの問題。
ホテルだけでなく、ガストやデニーズなどのファミリーレストランでもプラスチック製ストローから紙製ストローへの転換が進められており、紙製ストローを生産している企業の供給ラインが追い付いていないのが現状です。
その上、プラスチックのストローと比較し、紙製のストローはコストが10倍近く高く付くため、プラスチックストローの廃止をする企業はコスト高にも対応していかなければなりません。
それでも「サステナビリティ」に対する姿勢が企業ブランディングの上で重要とされる現在、企業は積極的に環境に良い取り組みを実施しています。
サステナビリティが重視される現在、エコなカトラリーをスムーズ且つリーズナブルな価格で提供するメーカーへのニーズが高まっていくことは間違いありません。
文/小松佐保(Foody Style代表)