(2)探偵が主人公の映画
探偵が活躍する作品も、バディものが豊富。刑事モノと違うのは、相棒の職業が探偵ではないこと。あくまで助手や友人という立場で、変わり者の主人公に振り回されながら事件解決をサポートする。助手役は、良識的で寛容で、面倒見の良い性格であることが多い。
『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』(2016年)
元祖バディものといえば、イギリスの小説家コナン・ドイルが100年以上前に生み出した名探偵シャーロック・ホームズだ。医師で友人のジョン・ワトスンを従え、難事件を解決する。ホームズの方が優位に見えるが、実はワトスンに依存気味。ホームズのずば抜けた知能と強烈な性格についていけるのは、ワトスンだけなのだろう。
『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』は、イギリス人俳優ベネディクト・カンバーバッチが現代版シャーロック・ホームズを演じるBBC人気ドラマの劇場版。
劇場版の舞台は、1895年ロンドン。エミリア・リコレッティという女性が、結婚記念日当日にウエディングドレスを着たまま銃で自殺する。しかしその数時間後、夫トーマスがエミリアの幽霊によって銃で殺害される。本当に犯人は幽霊なのだろうか。ホームズとワトスンが謎を解き明かす。
『シャーロック・ホームズ』(2009年)
『シャーロック・ホームズ』(2009年)、『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(2011年)は、ガイ・リッチー監督によるアクション色強めなホームズ。ワトスンのことが好きすぎて、彼の婚約者にホームズが対抗意識を燃やす場面も。
ロバート・ダウニー・Jrがホームズを、ジュード・ロウが相棒ワトスンを演じているこのシリーズは好評で、2020年クリスマスに最新作『シャーロック・ホームズ3(原題)』が公開予定だ。
第1作目は、1891年ロンドンで若い女性を狙った連続殺人事件が発生。犯人は、邪悪な神秘主義組織の指導者ブラックウッド卿。処刑されても甦る不気味なブラックウッド卿に、ホームズ&ワトスンが立ち向かう。宿敵アイリーン・アドラーと、そのボスである邪悪な天才数学者モリアーティ教授とも戦うことになる。
『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(2011年)
ヨーロッパ各地で連続爆破事件が発生する。黒幕がモリアーティ教授であることを突き止めたホームズとワトスンは、邪悪な陰謀を阻止するために力を合わせて戦う。
『ナイスガイズ!』(2016年)
『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングが酒好きのへなちょこ探偵ホランド・マーチを、『グラディエーター』『レ・ミゼラブル』のラッセル・クロウが腕っぷしの強い示談屋ジャクソン・ヒーリーを演じる。2人ともあまり優秀とはいえない経歴だが、妙なかっこよさがある。マーチには超しっかり者の娘ホリーがおり、『名探偵コナン』の毛利小五郎と蘭を彷彿させる。
ひょんなことから出会ったマーチとヒーリーは、行方不明の少女を一緒に探すことになる。しかし、捜査を進める中で、連続不審死事件との繋がりが少しずつ明らかになる。やがて2人は、国家を揺るがす巨大な闇に立ち向かう羽目になる……。
『探偵はBARにいる』(2011年)、『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』(2013年)、『探偵はBARにいる3』(2017年)は、北海道・札幌が舞台の、軽快な探偵バディもの。北海道出身の作家・東直己の小説家『ススキノ探偵シリーズ』が原作。
今どき携帯電話も持ち歩かず、ススキノのバー『ケラーオオハタ』で依頼電話を受ける探偵の俺(大泉洋)。相棒の高田(松田龍平)は、北海道大学農学部の大学院生。一見眼鏡が似合うインテリ風だが、実は空手を嗜む武闘派。
ボロボロのビュートを乗り回すところやドタバタ感が、“ルパンと次元”を連想させる。
『探偵はBARにいる』(2011年)
“コンドウキョウコ”と名乗る謎の女性から依頼を受けた探偵。コンドウキョウコは、「弁護士の南に、去年の2月5日、カトウはどこにいたかを聞いて欲しい」とだけ告げる。さっそく実行した探偵は、謎の集団に危うく殺されそうになる。コンドウキョウコの狙いは何なのか。そして、彼女は何者なのか。どうやら、数年前に起こった2つの事件と関連があるようだ……。
『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』(2013年)
探偵が仲良くしていたゲイバーのマサコが、マジックの全国大会で優勝した翌日に何者かに殺害される。手がかりが少ないため捜査は難航していたが、マサコと大物政治家の繋がりが明らかになる。
『探偵はBARにいる3』(2017年)
ある日探偵は、助手の高田の後輩から「失踪した恋人・麗子(前田敦子)を探してほしい」との依頼を受ける。麗子がアルバイトをしていたモデル事務所オーナー・岬マリ(北川景子)という女性に接触した直後、2人はマリの手下に襲われる。マリの背後にいる人物は、いったい誰なのか……。
(3)その他が主人公の映画
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)
80年代を代表する不朽の名作SF映画といえば、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。監督は、ロバート・ゼメキス。
この映画に描かれていた“近未来のライフスタイル”の中には既にいくつか実現している技術もあり、感慨深い。天才発明家ドクと少年マーティの世代を超えた友情も、多くの人々に夢と感動を与えてくれた。いじめっ子役・ビフのモデルは、トランプ米大統領とされている。
第1作目は、ドク(クリストファー・ロイド)の発明したタイムマシン“デロリアン”に乗ったマーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)が、30年前の1955年にタイムスリップ。マーティはそこで、1955年のドクと出会う。しかし、若い頃の両親に遭遇したことで歴史の流れを変えてしまう。このままでは自分は誕生しないことになると焦ったマーティは、何とか両親を結婚させようと奮闘する。街の不良ビフ・タネン(トーマス・F・ウィルソン)は、マーティの母ロレインを狙っている。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part 2』(1989年)
1985年に無事戻ってきたマーティ。ほっとしたのもつかの間、今度は息子マーティ・マクフライ・Jr(マイケル・J・フォックス)を助けるために30年後の2015年にタイムスリップすることになる。今回の敵は、ビフの孫グリフ・タネン(トーマス・F・ウィルソン)。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part 3』(1990年)
シリーズラストは、1885年。西部開拓時代のアメリカにタイムスリップしたドクを追いかけてきたマーティは、農場を経営する玄祖父シェイマス・マクフライ(マイケル・J・フォックス)に出会う。本作でも、ビフの先祖ビュフォード・タネン(トーマス・F・ウィルソン)と戦う。
『映画ドラえもん のび太と雲の王国』(1992年)
ドラえもんとのび太も名バディ。劇場版ドラえもんの中で個人的にオススメなのが、『映画ドラえもん のび太と雲の王国』。本作でドラえもんが見せる圧倒的包容力と勇敢さに、感涙必至!
雲の上での生活を夢見るのび太。ドラえもんがその夢を叶えるべく、雲の王国を作ってくれた。しずかちゃんやジャイアン、スネ夫も誘って遊んでいる中で、天上人が住む本物の“雲の王国”の存在に気づく。地上よりもはるかに発展した文明を持つ天上人は、絶滅危惧種を保護するなどして環境保護に力を注いでいた。一見友好的な天上人だが、裏では恐ろしい計画を進めていた……。