大画面テレビのトップエンドは「8K」の時代へ
みなさんは「8K」テレビをご存じだろうか? 今主流である「フルハイビジョン」テレビの画面は、横1920×縦1080ピクセルの画素で画面が構成されている。これに対して4Kテレビは、縦横共に2倍の3840×2160ピクセル、8Kテレビは縦横共に4倍の7680×4320ピクセルで画面が構成される。つまり、同じ画面サイズならフルハイビジョンテレビに比べて16倍の画素となるわけで、精細感に圧倒的な差が生じる。
CES 2019会場を取材した結果、どうやら大画面テレビは順当に、「4Kの次の8K」へと進化していくようだ。
「8K」のトレンドを牽引しているのは、世界1位の大画面テレビメーカーであり、2018年から8K液晶テレビを発売しているサムスンだ。そして、世界2位の大画面テレビメーカーでありCES 2019で8K有機ELテレビ、8K液晶テレビを出展した韓国LGも、サムスンに遅れまじと開発を急ぐ。
LGからは8K液晶テレビ「NanoCell TV 8K」も登場
国内メーカーも8Kに注力する。CES2019でソニーが98/85型の8Kテレビ「Z9G」を披露。シャープは既に2018年11月より8Kテレビを国内発売中であり、中国ブランドも8Kパネルを採用したテレビを出展するなど、もはや「8K」は特別なものでは無くなりつつある。
8Kテレビの普及には8K放送を始めとしたソース・コンテンツが必要という意見も多いが、サムスンとAmazonプライム・ビデオによる8K映像配信や、シャープによる5G回線利用のコンテンツなど、研究開発は進んでいる。
振り返ると4Kはハードウェアの開発・販売が先行し、10年近くの期間を経て放送や映像配信の環境整備が追いついた。「8K」も同じシナリオとなりそうで、まずはハードウェアが普及してから、放送や配信が追いつく模様だ。
取材・文/折原一也