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かけがえのない愛するパートナーを失った悲しみは、深く計り知れないもの。それだけに、パートナーと死別した場合の再婚率は10%以下だといわれます。
しかし、悲しみや苦しみを乗り越えて、再び「この人と一緒に寄り添いたい」と思うことは、長い人生であるかもしれません。
そんなとき、どんな心構えや知識が必要になるでしょうか。この記事では、パートナーと死別したあと、再婚するときに知っておきたいことをご紹介します。
パートナーと死別したあとの再婚は難しい?
結婚はもちろん、再婚するときに大切なのは自分自身の気持ちと相手の気持ちといわれます。
とくに死別を経ての再婚というのは、気持ちの整理や死別したパートナーへの気持ち、現在の相手との関係など、すぐに再婚に踏み切れる人は少ないです。
しかも、こと再婚となると、自分や再婚相手以外にも配慮しなければならない人々が存在します。それは子供、両親、義両親などです。
■死別後に再婚するとき大事にしたい子供の幸せ
夫もしくは妻を失って悲しみ苦しむのは自分だけではなく、片方の親を失った子供も同じです。
死別した父母の面影をいつまでも心に残し、「亡くなった父(母)以外の人が新たに自分の親になるなんてありえない」と、再婚相手をひどく拒絶してしまうケースもあり得ます。
表面上はうまく繕っていても、心の奥底では拒絶している可能性もあるかもしれません。
こうした複雑な子供の気持ちを確認することなく、再婚話を進めてしまうことだけは避けたいところ。一度、さらっと聞いただけでは、子供の本心はわかりません。時間をかけて、子供の心からの声に耳を傾けてみましょう。
再婚を考えている相手と、徐々に会わせてみることも大切です。このとき、「再婚したら、この人をお父さん(お母さん)と呼びなさい」と押し付けることは厳禁。あくまで子供の気持ちを尊重したいものです。
■再婚は妻と死別した男性のほうが女性に比べてこだわりあり?
一概には言えませんが、男性は女性と比較して死別したパートナーへのこだわりが強い傾向にあるといわれます。
よって、妻と死別した男性との再婚は、とても難しいと言えるでしょう。すべての男性・女性にその傾向が当てはまるとは言えませんが、覚えておきたいことです。
■死別したあとに再婚する場合、以前の妻の親、夫の親との付き合い方
死別後に再婚した場合、以前のパートナーの両親とどう付き合っていけば良いのかは、意見が分かれるところです。
子供を育てていくうえで、お世話になった義両親ならなおさら、「再婚するから縁を切る」とは考えられないはず。
「子供がいるのに再婚するな」などと、再婚を頭ごなしに反対するような義両親でなければ、子供にとっての祖父母でもあり、無理に縁を切る必要はないでしょう。
■相続問題や家族などから反対が壁になることも
死別後、再婚することに異を唱える人は一定数、存在します。それは子供だったり、義両親だったり、自分の両親だったり……あるいは、友人・知人が反対する可能性もあります。
「まだ再婚するには早い」「子供の心の整理がついているのか心配」「亡くなった父(母)以外の人が家族になるなんて耐えられない」などなど、それぞれの言い分もあるでしょう。
また、相続を考えて無用なトラブルを避けたいとして、再婚をよく思わない家族がいる場合もあります。
反対意見の中には、自らの決断を鈍らせるものもあるかもしれません。そんな中で、もっとも大切にしたいのが、「自分がどうしたいか」ということです。
もちろん、反対を押し切って再婚すれば、周囲との関係にヒビが入ることもあります。しかし、最終的に再婚するかどうかは、本人同士の気持ちがなによりも大切でしょう。
前配偶者と死別して再婚できるまでの期間は?
パートナーと死別したあと、再婚するのに必要な期間は、従来は、女性側は死別に関わらず、「離婚してから」100日経過していることが再婚の条件とされていました。
しかし、2024年4月1日から、女性の再婚禁止期間は廃止されました。
気になるお墓問題、死別して再婚したらどうする?
死別した相手のお墓は、もしその相手とのあいだに子供がいるなら、その子に託すのが最良でしょう。子供がまだ幼いのであれば、元パートナーの両親や兄弟にお願いする手もあります。
そして、自分自身が死別した相手のお墓に入るか、再婚相手のお墓に入るかについては、後者を選ぶのが一般的なようです。
しかし、選び方はそれぞれです。自分や周囲が納得いく方法を探してみても良いでしょう。
大切な人を亡くしたあと、すぐに再婚は考えられないかもしれません。「新しいパートナーを見つけることは、死別した相手への裏切りになるかも」と心理的に苦悩することもあるでしょう。深く愛した相手なら、死別したあとも、ずっと心に留まるのも当然です。
それでも、時間の経過とともに、失った辛さや苦しみは薄れ、新たな出会いがあるかもしれません。再婚を前向きに考えられるようになったとき、ぜひこの記事で得た知識を思い返してみてはいかがでしょうか。
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※データは2024年7月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
取材・文/ねこリセット