運転席周りでは助手席がマニュアル調整式となり、シートヒーターの設定がなく、シート地がファブリック&部分レザーのコンビネーションになるのがT5 Inscription以上のグレードとの違いで、逆に言えばそれ以外は上級グレードとほぼ変わらない。もっと言えば、T5 Inscriptionのレザーシートよりファブリックシートのほうがかけ心地がソフトで、体重が軽くても適度に沈み込むホールド感、快適感で上回る印象だ。体重64kgのボクも、迷わず張りの固いレザーシートより、明るく洗練された、スウェディッシュデザインの粋が際立つ、ブロンドカラーのファブリックのテキスタイルコンビネーションシートを選択するだろう。
T5 InscriptionとT4 Momentumの走行性能の違いは主にDRIVE-Eと呼ばれる、ボルボ最新の2Lガソリンターボエンジンによるものだ。T5は252ps、35.7kg-m。T4は190ps、30.6kg-mとなる(ミッションはどちらも8AT)が、加速性能というよりエンジンフィールの違いに見るべき点がある。
T5とT4では、エンジンのスムーズさ、振動のなさ、静かさが大きく異なる
試乗したT4 Momentum FFの走りは、車重がAWDに対してちょうどボクの体重ぐらいの60kg軽いこともあり、より軽快。言い方を変えればT5 AWDのほうが車重分、クラスを超えたしっとり重厚感ある(つまりXC60に乗っているような錯覚を覚えるほど)乗り心地を示してくれるというわけだ。
動力性能はT4でもドライブモード・セッティングがデフォルトのコンフォートであればまったく問題なし。ファミリーユースのコンパクトSUVとして必要十分以上の加速力を発揮する。T5との差がつくのは、延々と続く登坂路、ドライブモード・セッティングをエコモードにしたときにでも余裕があるかないか・・・ぐらいのものだ。