日本顧客満足度指数企業ブランド総合順位で、全業種で3位、通販では1位とアマゾン超えしたヨドバシ・ドット・コム。23区エリアでは配送時間最短2時間半という「エクストリーム便」を導入し、もはや日本市場でのサービスという面ではアマゾン超えをしたという感が強いヨドバシ・ドット・コムだが、売り上げ的にも日本市場のアマゾンを超えるためにどんな戦略を持っているのか。同社の藤沢和則副社長に前編では主に商品と配送についてお話を伺ったが、後編ではオンラインの接客を中心に聞いていく。
前編はこちら
バーコード値札からオンラインショッピングへの移線率も高く
――日本顧客満足度指数企業ブランド総合順位で、全業種で3位、通販では1位とアマゾン超えした訳ですが、ご感想は?
顧客満足度での評価は、実はここ数年継続していただいています。これは継続して努力を続けてきた部分が評価されたと思っています。やはり、配送のメンバーもきちっと頑張って、やることをやっていますし。価格も、最安値とは言わないまでも、皆さんに納得いただける価格にするようにしております。在庫や欠品も、なくす努力を、繰り返し行っていますので、そういったトータル努力を評価いただけたのではないかと思います。
――先ほど、日用品が伸びている分野というお話もありましたけど。ネットで反応が良いから、店舗の方でも日用品の品揃えを増やすといった連携はあったりするんですか?
基本的には、先ほど申し上げたように、店舗は店舗、ネットはネットで差別化してきます。それぞれ、お客様の期待も違ってきますので。それぞれにあった品揃えを進めていくつもりです。お酒などは、お店でも展開していく可能性もあります。ただ、基本的にはお店はヨドバシカメラらしい従来の品揃えをきちんと揃え、そこに新しい商品や専門性高い商品などを加え、品揃えを進めていくということになります。
やはり、お店に来ていただいて、そこで専門的な社員が、商品についてご案内して、納得した上でお買い物いただける。これが、ヨドバシカメラのお店の価値だと思っています。
逆にオンラインについては、利便性であるとか、スピードもしくは価格。そういった視点から、毎日便利に使っていただけるような商品をきちっと拡充をしていく考えです。
――ヨドバシカメラといえば店頭展示の全商品にバーコードが表示され、値札からのオンラインショッピングの遷移できるのが非常に便利ですが、遷移率はどのくらいですか?
具体的な数字は公表していませんが、全商品に付いているバーコードスキャンをしてもらって、商品の情報を見ていただくというのは、私どもとしても店頭で推奨しています。特に、お客様が下見して、またあとで来るという時にはスキャンをおすすめしています。是非、納得した上で、我々の店舗でもサイトでもいいので、またお戻りになってご注文くださいと、ご案内をさせていただいております。
販売する商品にもついていますし、値札にもバーコードをつけています。これを随分昔から推奨しているというのは、私どもの一つの特徴といえば特徴かと思います。
オンラインショッピングで最初に利用される店舗に
――購入履歴によるレコメンド機能はありますか? 例えば、この本を買った人にはこの本をどうぞとかいうのは、メールでくるんですか?
サイトのほうでは関連商品のおすすめはできるようになっています。ただ、私どもでは、そういうメールはお送りしておりません。やはり、必要以上のレコメンドというのは、あまりよろしくないかなということで。今のところ、メールでの案内はしていません。
――サイトでのレコメンドはマイページに入ると出てくるんですか?
そうですね。カタログページにも、レコメンド機能と表示されるようになってます。ただし、先ほど申し上げたようにレコメンドは、サイト上で完結します。
――今、アマゾンなど競合サービスに比べて、これは勝っているという点は何ですか?
客観的に言えるのは満足度でしょうか。それと、配送はだいたい同じくらいのレベルではできているんじゃないかなと。負けないレベルではできていると思っています。また、店舗とネットと両方ご利用いただけるというところが、強みであると思います
――今後、アマゾンに勝つための施策はありますか?
よく、勝った、負けたというお話をされるのですが、おそらく、私どものお客様は、アマゾンさんでもすごく買い物をされていて、楽天さんでも買い物をされていて、ヨドバシカメラでも買い物している人たちだと捉えています。ですから、何かお買い物をしようと思ったときに、最初にヨドバシカメラに来ていただけるようになれば良いなと、そんなふうに思っています。
――最初に来ていただくためには、何をすれば良いと思いますか?
やはり、お買い物いただいたときに、買い物して便利だったなとか、すぐ届いたなとか、快適にお買い物していただいて楽しかったなと思っていただけるのが、一番だと思っています。