DIME MAGAZINE
店舗で24時間受け取りも可能
――配送に関しても、お伺いしたいです。ヨドバシ・ドット・コムでは、リアルタイムで配送状況が見られるのが、非常に便利ですが、配送で今後強化していきたいところはありますか？
配送については、私どもの場合、地域は限定されますが、自社配送を何年か続けています。これをスタートした経緯というのは、できるだけ、無駄なく、商品をお届けできないかというのが、そもそものコンセプトにありました。もちろん、結果的には、スピードが速くなってきます。
例えば、普通は物流センターから出荷された商品は、それぞれの拠点に持ち込まれます。そこで仕分けをして、営業所なりに物が届いて、そこから各配送先にお届けするということになります。私どもがトライしたのは、直接お客さんに届けるということです。ぐるぐる各地を回っていかないで、23区内くらいであれば直接お客さんに商品を出荷して、そのままお届けしています。それによって、配送にかかる時間も短くなり、コストも下げることができました。
――ヨドバシ・ドット・コムには翌日配送もありますが、カバー率は何％ですか？
概ね98.5％です。去年から宅配のキャパシティの問題があって、タイミングや地域によってカバー率が変動するようになってきています。以前は、一律何時とかお約束できたのですが、今はかなり変動していて、地域によっては遅れる場合もあります。
――店舗で受け取るサービスもあるかと思うんですけど。利用者は増えていますか？
利用者は確実に増えています。受取のやり方とか、最初のテストのフェーズから、改善を進めております。一部、抜本的に変えていく必要が出てきていますので、そういったところは今後改善していこうと思います。
――ターミナル駅に店舗があるというのは、強みですよね。
そうですね。店舗数は少ないですが、会社の帰りとか出かけたついでなどに、ちょっと寄っていただけるような場所に店舗があるのは我々の強みです。
――店舗の受取というのは、全店舗でできるんですか？
はい、そうなります。比較的、夜遅くまでやっているお店も多いです。秋葉原と、梅田と博多の3店舗については、24時間受け取り可能なので、深夜でも商品を受け取りいただくことができます。ネットで注文していただければ、お店にある商品を、パッとその場で、夜中でもお求めいただけるというところは満足いただけていると思います。
DIMEの視点
アマゾンの「Amazon Music」や「Amazon Prime Video」などが好調なことを考えてもコンテンツ系の商品を扱う予定がないところは弱い。とはいえ、プライム会員は年間3900円の会費が必要ということを考えると、会費がかからず、しかも年会費無料のヨドバシ・ドット・コムは手軽で、必要な時にすぐ使える点で、使い勝手がいいといえるだろう。
後編では、主にオンライン接客や通販ナンバーワンになるための施策ついて聞く。
取材・文／稲垣有紀、石崎寛明（DIME編集部）
稲垣有紀／ダイレクトマーケティングの専門紙「日本流通産業新聞」通販フルフィルメントデスクを経てフリーライターに。代表作は翔泳社刊「これが売れてるホームページだ！」。
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