日本顧客満足度指数企業ブランド総合順位で、全業種で3位、通販では1位とアマゾン超えしたヨドバシ・ドット・コム。23区エリアでは配送時間最短2時間半という「エクストリーム便」を導入し、もはや日本市場でのサービスという面ではアマゾン超えをしたという感が強いヨドバシ・ドット・コムだが、売り上げ的にも日本市場でアマゾンを超えるためにどんな戦略を持っているのか。同社の藤沢和則副社長に前編では主に商品と配送について、後編ではオンラインの接客を中心に聞いた。
生鮮の産直開始予定、スタートしたお酒も好調
――さっそくですが、カテゴリーは家電、パソコン、ベビー・おもちゃ・ホビー、AV機器、ゲーム、食品&飲料、ホーム&キッチン・ペット、書籍、電子書籍、ヘルス&ビューティ、アウトドア・スポーツ用品、携帯電話・スマートフォン、時計・ジュエリー、カメラ、文房具・オフィス用品、DIY・工具、家具・インテリア、ファッション、酒類、医薬品で間違いないですか?
間違いないです。現在、600万点超のアイテムを扱っています。今後は、生鮮に参入予定です。
――生鮮へはいつ頃、参入予定ですか?
まだ、目途はたっていません。生鮮は仕入れ先や配送方法など課題も多いので、まずは非常に限られたボリュームだけで行う予定です。お取引先様、もしくは生産者の方から仕入れ、産地直送という形で直接、お客様にお届けいただくというような取り組みを検討しています。
お酒については、先週から開始しましたが、非常に多くご注文いただいています。ただ、まだ、始まったばかりなので、品揃えのボリュームがお客様に満足いただけるところまでいっていない部分が多いです。この先、お客様からの声を伺いながら、品揃えの充実と在庫の拡充を続けてまいります。
――人気のお酒は何ですか?
販売数ではビールが一番大きいですが、金額的には芋焼酎を中心とする焼酎が一番人気です。日本のウイスキーや日本酒も、今、すごく引き合いがあります。
―― 一番好調なのは、前年対比180~200%で伸びている日用品だという報道を見たのですが、それで間違いないですか?
好調というか、点数が伸びています。ただ、売上高から見ると家電を始めとする、いわゆるお店で売っているような商品が依然として半分以上を占めております。
――将来的に、これから拡大していきたい商品ジャンルはありますか?
ジャンルのカバー率は広くなっていますが、まだ、厚み、つまり品揃えが足りないと考えています。スポーツだとか、アパレルだとか、靴といった分野は、ほとんどやっているうちに入らないほどの品揃えしかございません。そういった部分は、どんどん充実させていきたいと思います。
――アパレルは、どんな方向を目指しているんですか? ユニクロとか、ZOZOTOWNとか、メルカリとか、ライバルはいっぱいいると思いますが。
そうですね。そういう意味ではこれからお客様の反応を確認しながら、品揃えを確認していく段階になります。ただ、どちらかというとスポーツ用品のアパレルだとか、そういう専門衣料の品揃えを充実していく方向で、今、進めているところです。
マニアックな商品も拡大していく
―― 一方で、ヨドバシカメラの主力商品である家電だったり、AV機器だったり、パソコン周りの商品では、ヨドバシカメラの信頼性はすごく高いと思います。ネットでよくわからないお店で買うより、ちゃんとしているお店で買いたいと思いますし。そういった主力商品や細々したマニアックな商品も、店頭以上に商品を拡充していっているのでしょうか? また、クラウドファンディングに出ているような、世の中の大手メーカーが扱っていないような商品だったり、ちょっとマニアックな商品などを扱う予定はありますか?
はい、主力商品も今、品揃えを増やしています。クラウドファンディングで出品されているような商品も一部、取り扱いを開始しておりますが、まだごくわずかです。そういったマニアックな商品も取り扱えるように検討したいとは思います。
――今、すでに電子書籍とかも取り扱っているかと思うのですが、動画や音楽などコンテンツ系の商品を増やしていく予定はありますか?
今のところはありません。今は電子書籍をきちんとやっていこうということで、進めております。電子書籍は品揃えも充実してきていて、ご利用いただいて、ご満足いただけるところにきていると思います。そこから先の、ミュージックやビデオに関しては、まだ取り扱う予定はありません。
――家電などは、その時々で頻繁に値段が変わるものだと思いますが、価格がサイトと店頭でちゃんと統一されているのがすごいなと思っています。店舗で買ったら値下げ交渉ができるとかこのジャンルの商品はサイトのほうで買ったほうが安いとか。違いはありますか?
一部例外がございますが、基本的にお店とネットで値段は全て揃えています。ただ、お店の場合、セールなどで“局地的に”という言い方は変ですけど、安いこともございます。