株や投資信託に比べて日陰に隠れているイメージがある「債券」。実は投資初心者向けにオススメできる金融商品だ。債券とは、国や企業などがお金を借りるときに書く借用書を、金融商品として売買できるようにしたもの。なので見た目は金融商品だが、実態は国や企業などにお金を貸していることになる。しかし債券投資には独特な言葉が多いので、基本をよく理解してから投資をするようにしたい。ここではそんな債券がどのようなものか初心者向けに解説する。
期間と利払い条件に加えて発行体の信用力をチェックしよう
実際の債券の募集画面を見ながら、各項目について解説していこう。以下の図をみて欲しい。
引用元:マネックス証券
まずチェックしたいのは、「期間」「利率」「価格」だ。
・期間:発行元になる国や企業(「発行体」という)がお金を借りる期間のこと。図では2019年1月15日から1年間となっている。期間が終わって元本を返すことを「償還」(しょうかん)という。聞きなれない言葉なのでぜひ覚えておいて欲しい。
・利率:発行体が支払う利息のこと。図では年6.30%と記載がある。100万円分購入した場合は年6万3000円が利息として受け取れる計算だ
・価格:額面に対して100.00%という記載がある。額面とは債券に書かれている実際の価格で、発行体が借りる金額のこと。この例では100.00%の価格になっているので、発行体が借りるお金100万円に対して100万円を支払う。
少し不思議な感じがするが、例えば、6万3000円の利息を受け取らない代わりに、その利息分を引いた93万7000円で購入できるとしたらどうだろう。この場合は、価格は額面に対して93.70%という表記になり、利払無しとなるはずだ。
このように債券には、「額面」と「価格」の2つの価格表記があり初心者を惑わせてしまう。実際に支払うお金はいくらで、受け取れるお金はいくらか。というのを確認するように意識して商品の状態を見よう。
つぎにチェックしたいのが「格付け」だ。格付けとは発行体の信用力を評価したもので、図にあるようにS&PやMoody’sに加え、日本格付研究所や格付投資情報センターなどが有名だ。以下にリンクのURLを記載するので一度は見てみ欲しい。
当然格付けは高いほうがよいに越したことがないのだが、各社とも統一された基準がない。基準としては「B+」以上の債券であれば、破綻してしまうリスクが小さく、投資検討の土俵にのれると覚えておけばよい。ちなみにネット証券で買える債券でCやD評価の債券が出てくることはほとんどないだろう。そのような債券は破たんする確率が高めで投資家が損しやすいからだ。