【プレーバック 平成元年】新人類=おっさんの飼い方教えます
平成最後の年末・年始です。流行語大賞にはノミネートされませんでしたが、「平成最後の」はわりとメディアで使われた言葉じゃないでしょうか。というわけで、今から30年前の昭和63年、平成元年を「DIME」のバックナンバーで振り返ってみます。
「最近の若い者は〜」というフレーズは、古代エジプト時代から言われていたとされますが、30年前の新入社員が22歳で就職したとすれば、現在52歳。今の新入社員にとっては親世代ですし、会社では部長クラスになっていてもおかしくありません。そんな上司から「最近の若い者は〜」と言われる若い人もいるでしょう。そこで、昭和63年5月19日号の記事、「新入社員(エイリアン)の飼い方教えます」を振り返ってみましょう。
<挨拶をしない? 言葉遣いがなってない? 電話を取らない? 甘い! そんなことで驚いてちゃあアナタ、上司として失格です。(中略)「いったい、彼らの親は何を教えてきたんでしょうね」新人類評論家としても知られる、さくまあきら氏は嘆く。家庭生活を営んでいれば、当然、身についているだろうことも、彼らはできないという。(中略)。「わからないなら聞けばいいだろうと思うんですが、彼らにとって“聞くは一生の恥”なんですよね」>とボロクソです。
さらに、<あんまりヒドイんで叱るでしょ、すると彼らは泣くんですよ><もう一つのパターンは、新人類のキマリ文句「別に」「ちょっと」「なんとなく」に、“元気な返事”“上手な合いの手”を加えた逃げの技だ><最近、彼らを羨ましいと思うようになったんです。彼らのように何も考えなければ、尾を引くことがない、つまりストレスがたまらないワケですよ>と続く。読んでいると、最近の若い人よりも悪質なんじゃないかとも思えてきます。
そして、心理学者からのアドバイスとして、<スポーツの初心者に教えるように、具体的に、手本を見せながら、少しずつ進める>教育が必要とされます。それも、外国人に対してのような、異文化接触だとまで言われています。こわいですね、新人類世代。
今となっては、むしろ老害と批判されることの多いおっさん世代。若い人は、上司などのおっさんをエイリアンだと思って接してあげると、仕事や人間関係もうまくいくのかもしれません。
メールもLINEもない時代にもかかわらず「彼らは電話が苦手」だったらしい。
「上司とコミュニケーションをとらない」「ミョーなコトバを使う」あたりは、今の若い人にも共通するかも。
文/小口覺