『LINE』を始めとするメッセージアプリは、もはや生活に欠かせないものになった。
LINEがあれば、用件のある相手と瞬時にコミュニケーションを取ることができる。グループ内での多人数会話も可能だ。ざっくばらんな話であれば、スタンプを使うことだって可能である。
日本に住んでいる以上、もはやLINEは不可欠な生活ツールであると言っても過言ではないだろう。そう、日本国内に住んでいるのであれば。
日本から一歩外に出れば、状況は大きく変わる。LINEは世界的に見れば、決してメジャーと表現できるアプリではない。メッセージアプリで世界的に最も普及しているのは『Facebook Messenger』と『WhatsApp』である。
この記事では、WhatsAppについて紹介したい。
日本では馴染み薄いWhatsApp
日本人の目から見ると、WhatsAppは極めて簡素な設計のアプリに映るかもしれない。
LINEにはいろいろな機能がある。スタンプもそうだが、今やLINEを使ったオンラインショッピングもできるし、音楽ストリーミングサービスもある。給食サービス『LINEバイト』や電子決済の『LINE Pay』、さらにはゲームまでできる。ここ数年内のLINEの機能充実は目覚ましいものがある。
対して、WhatsAppには上記に該当するような機能はない。今年になって『WhatsApp Payment』という送金サービスがインドで実施されるようになったが、日本にいる限りWhatsAppでそのような機能は利用できない。
LINEでは当然の機能であるスタンプが、WhatsAppには存在しない。いや、正確に言えば2018年10月にようやくスタンプ機能が実装されるようになった。
だからこの記事を執筆している2018年12月3日時点では、まだ12種類のスタンプしか用意されていない。それに代わるGIF動画はある程度のラインナップを揃えてはいるが、いずれにせよLINEの足下に及ぶものではない。
電話帳と直結するメッセージアプリ
ここまではWhatsAppのコキ下ろしのような書き方になってしまったが、実はこのアプリは全世界に15億のユーザーを抱えている。
筆者の実感から考えても、WhatsAppはアジア人もアメリカ人もヨーロッパ人も使っている。つまり、LINEにはない利便性が存在するということだ。
それは「電話番号とアカウントが直結している」という点である。
相手方の電話番号をスマホの電話帳に登録し、なおかつ自分と相手がWhatsAppを利用していれば、電話帳からWhatsApp経由で電話をかけられるのだ。言い方を変えれば、WhatsAppを利用するにはスマホの電話帳から電話番号をインポートする必要がある。
これはどういうことかというと、世界のどこに電話をかけてもそれが国際電話扱いにはならないという意味だ。お互いがオンライン環境下にいる限り、何十分話しても料金はかからない。
また、WhatsAppには「友だち」というものが存在しない。面識のない他人から突然飛んできたメッセージを受信することもできる。
だから、WhatsAppでは「初めてのメッセージ送信」に対する抵抗感がLINEよりも薄い。また、国によっては配達業者がWhatsAppで顧客に連絡を取るということもある。