名刺をスマートフォンで表示し、QRコードなどを介して交換し合う「オンライン名刺交換」がある。このオンライン上の名刺は、従来の名刺と比べてどんなメリットとデメリットがあるのだろうか。名刺の専門家である福田剛大氏の見解をもとに、今後の名刺との付き合い方を探ってみよう。
オンライン名刺とは?
先日2018年11月1日、ビーズ株式会社がビジネス向けクラウド名刺交換・管理サービス「2bs(トゥービス)」の提供をはじめた。スマートフォン上に表示される名刺のQRコードの読み取りで名刺交換ができるサービスだ。
アプリのインストールは不要で、モバイル向けWEBサイトで名刺を管理する。サービスに登録していない相手でも、受け取り側のスマホにQRコードリーダーがついていれば、情報の読み取りはできるという。
このスマホによるオンライン名刺交換は、すでに2016年にSansan株式会社の名刺アプリ「Eight(エイト)」が提供をはじめていた。近くのユーザーを検出する、もしくはQRコードで名刺交換をしたり、メールで名刺のプロフィール情報を送信したりする機能などがある。
いずれもスマホを介して、オンライン上でペーパーレス名刺交換が実現できるものだ。
紙の名刺とオンライン名刺のメリット・デメリット
名刺の専門家である福田氏は、そもそもオンライン名刺には賛成だろうか?
「賛成です。時代とともに名刺交換の意義や方法が変わってきますから、デジタル化されてよりビジネスに戦略的に利用しようとすることは当然の流れだと思います」
そこで、紙の名刺とオンライン名刺を比べたときの、それぞれのメリットとデメリットを聞いた。
●紙の名刺
【メリット】
・相手の記憶に残る仕かけができる。(色、形、大きさ、紙質、紙厚、ギミック、香りなど)
・レイアウトを自由に設定できる。
・コミュニケーションのきっかけづくりができる。
【デメリット】
・かさばる。
・忘れたときに恥ずかしい思いをする。
・マナーにとらわれて緊張する。
・印刷コストがかかる。
・保管が面倒。
●オンライン名刺
【メリット】
・かさばらない。
・忘れない。
・そんなにマナーにこだわらなくていい。
・印刷コストがかからない。
・保管が楽で検索しやすい。
【デメリット】
・提携フォーマット以外の設定がむずかしい。
・統一フォーマットが確立していないので、各会社の仕様に左右される。
・電源がない場合、使えない。