間違ってない?セルフ式ガソリンスタンドの利用方法
近年、ガソリンスタンドの減少が止まらない。経済産業省と資源エネルギー庁の発表によると、揮発油販売業者数は平成に入ってからも減少し続けており、現在は平成元年度の3万2835と比べると1万4612と半分以下となっているようだ。
確かに、私の生活圏内でも5〜6軒のガソリンスタンドが、立て続けに廃業したのを目の当たりにしているので、切実な問題となっているのは確か。
その理由として、2010年に改正された消防法により、給油所の地下タンクを改修する必要に迫られた設備的な側面に加え、登録車の減少やハイブリッドカーなどの低燃費車の普及によってガソリンの需要自体が大きく減っているという危機的状況が考えられる。
その一方で、なんとか生き残りをかけてコストを抑えたセルフ式のガソリンスタンドも急激に増えてきた。今回は、そのセルフ式ガソリンスタンドの利用方法について解説したいのだが、すでに利用したことのある方には釈迦に説法となるかも知れない。
ただ、慣れたセルフ式でも、意外と知らなかったり、間違った方法をしていたりすることもある。また、利用したことのない方にとっては、失敗しないかと心配でためらっている場合もあるはず。そんなことを踏まえ、予習・復習のつもりで読んでいただけたら幸いだ。
フルサービスとセルフ式の違い
ご存知のとおりフルサービスのガソリンスタンドというのは、給油を従業員が行なってくれる。また、付帯サービスとしてタバコの吸い殻入れの清掃や窓ふきなどもやってくれるところも多い。
それに対し、1998年に消防法改正の規制緩和により登場したセルフ式は、客自身が給油操作を行う。そのためガソリンスタンド側としては、従業員数を削減することができ、フルサービスに比べるとガソリンの販売価格を抑えることが可能なのだ。
とはいえ日本では、セルフ式であっても無人で営業することは認められず、甲種または乙種4類の危険物取扱者の有資格者が常駐することが義務づけられている。また、給油作業を遠隔監視して、危険時にはバルブ閉鎖などの必要な措置を取ることができる態勢となっているので、あまり心配する必要はない。
ちなみにセルフ式では、自走で乗り入れたクルマやバイクにしか客自身が給油することができない決まりとなっているため、例えば積載車や牽引してきたクルマやバイク、ボートなどはもちろん、ガソリン携行缶などにも給油(注入)はできない。
事前に給油口の位置を把握する
セルフ式ガソリンスタンドの場合、クルマの給油口が左が右かで入るレーンが異なる場合が多い。中には、左右どちらにも対応するように給油機が設置されたレーンもあるのだが、自分の乗っているクルマの給油口の位置を事前に把握しておくとスムーズになる。
たぶん、日ごろから乗っているクルマであれば迷うことはないと思うが、レンタカーなどに乗り換えた際にわからなくなることもある。そんな時は、燃料メーターに表示された給油機マーク横の三角矢印マークを確認。
写真のように、この三角矢印が左向きであれば、クルマ後方の左に、右向きであれば右側にあるということになる。
また、あまり参考にはならないかも知れないが、車体後部のマフラーのテールエンドの位置で確認する方法もある。というのも、もし給油口からガソリンが漏れた場合に引火しにくいようにと、マフラーとは離れた位置に給油口が配置されることが多いため、左右どちらかの片出しマフラーの場合は、逆側に給油口と憶えておくといいだろう。
セルフ式の給油の仕方
空いている給油機の前にあるガイドラインに沿ってクルマを停めたら、必ずパーキング(サイド)ブレーキをかけエンジンを停止。このとき、気化したガソリンが車内に入らないように、開いている窓やドアもしっかりと閉じること。
そして、運転席もしくはハンドルの右側下方にあるレバーかボタンで給油口のカバーを開く。なお車種によっては、車内にレバーなどがなく、上の写真のようにキーでキャップを開けるタイプもある。
クルマを降りてドアを閉めたら給油機の前へ。その際、できればキーを抜いて持ち歩くようにすると、ついでにトイレに行くなどクルマから離れる際の盗難防止になる。(離れる際はロックもかけること)
その後、給油機のタッチパネルの表示にしたがって、支払い方法、油種、給油量(金額)を指定していく。ここで特に注意したいのが、レギュラー、ハイオク、軽油の油種の選択。自分のクルマの指定燃料がどれなのか不安がある場合は、取扱説明書もしくは給油口カバーの内側に記載されていることも多いので確認しておくといいだろう。
ただその際に、レギュラーの場合は「無鉛ガソリン」、ハイオクは「無鉛プレミアムガソリン」、軽油は「ディーゼル燃料」などと表記されることも多く、紛らわしいので気をつける必要がある。