さてアマダイ、餌を吸い込む魚なので即合わせは不要、よって82の意味がないとなるが、釣りに行く度に82がいいように思えてならない。最大の理由は釣友の正林さんが、アマダイとなるといつも僕よりいい思いをするからだ。なにせ“竿持ち”だけに毎回82とは限らないのだが、概ね先調子の竿を使っている。(参考資料=正林さんからのメール:オレのアマダイ、エース竿はタチウオテンヤ竿1.9mです。1/9~2/8調子の硬調がイイような気がしています)。
アマダイの釣り方として、錘が底(砂地)に着いたら竿先を数回動かして錘で砂を叩き、砂煙を上げるというセオリーがある。その砂煙にアマダイが好奇心を示し、餌に食いつくというのだ。僕も時々試みるが、73の竿では叩き方がマイルドで、あまり砂煙が上がっていないのではないか? しかも「極鋭ゲーム73」の適合錘は、10号から60号だ。僕が乗るアマダイ船で使う錘は80号なので、錘に対して竿は“負け気味”になる。73というより64に近い状態であり、いよいよ底を叩く力は弱い(ただし60号までの竿だから80号は使えないということはなく、前述のようにこの竿での実績もある)。先調子の竿の方が思うように錘を操りやすく、底を強く叩けるはずだ。僕と正林さんの釣果の差は、ここから生まれるのではないだろうか?
そこでダイワのサイトで82の竿はないかと探すと、「極鋭ギア M180AGS」が目にとまった。製品説明に“釣法・ターゲットに応じて8:2から6:4調子にギアチェンジ”とあるように、アタルまでは82の先調子、釣り上げる際にその魚の重さによっては64の胴調子までなり、よりパワフルに釣り上げかつバラシを防ぐという(と僕は解釈しているが、違うかもしれない)性能をもつ竿だ。僕はその姉妹品「極鋭ギア MH-240」で3kg級のハタを釣っているので、シンパシーもある(ちなみに180や240という数字は竿の長さ、MやMHというアルファベットは竿の硬さを表す)。
ならば「極鋭ギア MH-240」でアマダイを狙うという考えもある。僕がアマダイ釣りで使う錘は80号、「極鋭ギア MH-240」の適合錘は50号から100号と範囲内だ。だが「極鋭ギア M180AGS」の適合錘は30号から80号なので、「MH-240」より柔らかい。また経験上アマダイでは長い竿はやりにくいが(「極鋭ゲーム73」は193cmでほどよい)、「MH-240」は「M180AGS」より60cmも長い。ついでに言うと、正林さんの竿はいつも短い。以上から、「MH-240」はアマダイには向かず、「M180AGS」はアマダイに絶好の竿ではと推定した。
「極鋭ギア MH-240」。現行品は「極鋭ギア MH-235AGS」メーカー希望本体価格54800円。「極鋭ギア」のおすすめ対象魚にアマダイは入っていないが、あくまでも“おすすめ”で、これ以外には使えないという意味ではない。店員氏の意見や、自分の経験で選ぶのがベター。
「M180AGS」にしようと思いつつさらにダイワサイトを見ると、専用竿「メタリア アマダイ」がある。冒頭に述べたように専用竿だからより釣れるとは思っていないものの、専用竿なるものを使ったことがないのでそそられる。サイトの製品説明には82とも73とも書かれていないが、同サイト上のアングラー・田渕雅生氏による「最前線ブログ」を読むと、“カタログ表記では7:3調子となっていますが、実際に使用した感じでは8:2寄りの調子に感じました”とある。本来はリアル店に行って自分で確かめるべきだが、竿は種類が多いせいか求める竿が店舗にないことが少なくない。ここはプロのインプレッションを信じることにして、「メタリア アマダイ」に決めた。