遅れて贈ってもいいの?
お歳暮を贈る時期は、関東では12月中旬くらい、関西では12月20日くらいまでといわれている。贈りそびれてしまったらどうすればいいのだろうか。
「基本的に遅れてもかまいません。最初に申し上げたように、お歳暮は、日頃の感謝の気持ちを表すものだからです。遅れたら、代わりにお年賀や寒中見舞いなどで贈るのが一般的です。形が違っても感謝することが大切です。できる環境であれば、遅れてもお送りするほうがいいでしょう」
お歳暮で嫌われる品は?
ところで、お歳暮の品で嫌われる品というのはあるのだろうか?
「当たり前のことですが、相手が嫌いなものを贈ること。相手の嗜好に合わないものは避けてくだいね。そうではなくて、相手が好きなものや、はまっているものをさしあげるといいでしょう。それには日頃のコミュニケーションが大切。上司の話にいつも耳を傾けていることで、好みを把握できます。お仕事同様に、お歳暮を贈るときにも、このような日頃からの情報収集が大切です。また、旅行や帰省などで家を空ける直前の相手に生物を贈ったり、一人暮らしや夫婦二人なのに、食べきれないほどの食品を贈ったりするなどの配慮のなさにも気を付けたいですね」
好意を持ってもらえるお歳暮の贈り方
評価を得るためではないものの、贈るなら、より相手に喜んでもらいたいものだ。西出さんは、こうすればもっと相手に喜んでもらえると話す。
「例えば、結婚をしている男性上司に贈ったときに、奥さんやお子さんが『これ、なかなか手に入らない人気のお菓子よ!』『これ、この前、テレビや雑誌で紹介されていて、食べたいと思っていたものだわ!』と言うようなものを贈れば、より喜んでいただけるでしょう。ただ名の通っている品を贈ればなんでもよいという贈り方はおすすめしません。
むずかしいことかもしれませんが、お歳暮を贈られることで、上司が家族などから感謝される立場になるというところまで配慮した品物を選び贈ることができれば、それはきっと、仕事にもプラスに影響してくると思います」
【取材協力】
西出ひろ子さん
マナーコンサルタント。マナーは互いがウインに、幸せになるために在るとし、互いの立場に立って思いやる心が本来のマナーと説くマナー界のカリスマ。一流企業でのマナーコンサルティングやNHK大河ドラマや映画のマナー指導、テレビ番組などの監修も務める。俳優や女優、タレントなどへのマナー指導にも定評がある。著書に28万部超えの「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)、「かつてない結果を導く 超『接待』術」(青春出版社)などマナー本は国内外で85冊以上。著者累計100万部を超える。
https://hirokomanner-group.withltd.com/
取材・文/石原亜香利