今はまさにお歳暮シーズン。周りはお歳暮を贈っているのだろうか? 気になるものの聞くに聞けないビジネスパーソンのお歳暮の素朴な疑問について、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに聞いた。
やっぱり上司に贈るべき?贈る基準は?
お歳暮の話題が出ると、上司にお歳暮を贈るべきか迷うことはないだろうか。どのような基準で贈るべきなのか。西出さんは次のように答える。
「最近は、会社のコンプライアンスの重視に伴い、社内における贈答品のやりとりを禁止する傾向も強くなってきています。同様に社外、取引先へも贈らないなどのルールがある企業も増えています。大事なことは、上司に贈ってもいいのか確認すること。まず社内ルールを確認しましょう。
そして知っておきたいのは、お歳暮は決まりごとではないということです。お歳暮は日頃の感謝の気持ちを贈るもの。感謝をお歳暮という形で伝えるかどうかは人それぞれです。そして、贈られた側が上の立場の方であった場合、お歳暮を贈られてどう思うのかも人それぞれ。たいていは『かわいい部下だな。気使ってくれて嬉しいな』と思うでしょう。しかし人それぞれですので、中には『何か裏があるのかな」と思う人もいるかもしれません。ですから、一概にこうしたらいいというのは言えません」
社内ルールとして特に規制がなく、周りも贈っているようなら、どうすればいいだろうか。
「上司が、取引先にいつも手土産やお歳暮を贈っているようなら、上司自身がそのような贈答品について重要視しているタイプと考えられます。そういうタイプには、贈ってもいいかもしれませんね。反対に手土産すら無頓着の上司なら、贈っても贈らなくても問題はないでしょう」
評価を得たい気持ちで贈るのはNG
もし上司に贈るなら、西出さんは注意をする。
「一般的に、上司は部下からお歳暮を贈られて悪い気はしないものです。感謝の気持ちを純粋に贈るのであれば良いでしょう。しかし、『評価得たい気持ち』はNGです。
一般的に上司の立場であれば、平等に評価しなければなりません。物をもらったからといって評価を上げることはできません。ですから、お歳暮を贈ったからといって、変な期待をしないほうがいいです。純粋に感謝の“気持ち”を“品物という形”にして贈ることが大切です」
お歳暮を贈るメリット
最近では、30~40代ビジネスパーソンはお歳暮を贈っているのだろうか?
「30~40代ビジネスパーソンの方からは『結婚するまで贈ったことはなかった』という話をよく聞きます。結婚してから両親、義両親へは贈り始めるようです。ただ、上司へ贈ることは少なくなってきているようです」
そもそも、お歳暮を贈るメリットはあるのだろうか?
「これも相手や立場、状況、地域性などに応じて、さまざまでしょう。一般的には、相手が受け取りを拒否しない限りにおいては、贈ることで少なくともマイナスになることはないでしょう。会社や地域性にもよりますが、現代でも年末に上司宅に、夫婦でお歳暮を持って挨拶周りをすることを慣習としてる人たちもいらっしゃいますね。挨拶をすることで、『挨拶をきちんとする人』と評価されます。親や親戚などに対しても同様です。きちんと挨拶する人だなという高評価と、気にかけてもらえてうれしいといういい気分にさせることができるでしょう」