グリコのビスケット菓子「ビスコ」が2017年の売上は発売以来、過去最高売上を達成した。また5年間で売上が150%伸長するなど快挙を成し遂げている。そこでグリコのマーケティング担当者に、過去最高売上となった背景や、長年定着している商品の売り上げを伸ばす秘策を聞いた。
85周年の「ビスコ」が5年連続 売上過去最高を記録
おなじみのグリコのお菓子「ビスコ」が2017年、発売以来過去最高の売上を記録。ビスコ 85 年の歴史上、5 年連続となる過去最高売上となったという。その背景はどこにあるのだろうか。
●売上アップの背景3つ
江崎グリコ株式会社マーケティング本部ビスケットマーケティング部の松井桜子さんは次の3つを挙げる。
1.大人の女性を中心とした大人へとターゲットを拡大
「ビスコは栄養が少なかった時代、子供の栄養補給を目的として酵母入り菓子として母子向けのブランドとして誕生しましたが、大箱、大袋、ミニパックなど形態違いの商品が発売されることで、食シーン、ターゲットの広がりが出てきました。
そこで、2008年3月に大人の女性向けの社内通称『おねえさんビスコ』として『おいしさ』と『栄養』を強化したものを作ろうと考えました。ビスケット部分をクラッカーにし、クリームとの相性、塩味、軽い食感を大切にし、あっさりとしたおいしさを実現しました。またクラッカーに小麦胚芽を入れることで、ビスコの持つ『すくすく育つ健康感』に対し、大人の女性のための『カラダにやさしい健康感』を出しました。
そして2014年に80周年を迎えたビスコは、『スペシャルビスコ』として発酵バターを使用した商品を発売。数量限定の商品であったため再発売を求める声を多くいただいたので、2015年2月にビスコ<発酵バター仕立て>を発売。このタイミングで、ターゲットを母子から大人の女性に変更しました。そして、大人の女性向けのラインナップ拡大として2018年2月に『ビスコ<焼きショコラ>』を発売しました。
また健康関連食品の市場規模拡大と、ビスコが朝に売れているという販売実績から、忙しい女性の朝食需要があると考え、『ビスコシンバイオティクス』を発売。朝にも食べやすい<さわやかなヨーグルト味>と、<ブルーベリー&ラズベリー味>を2種類発売しました」
松井さんによると、「ビスコ<発酵バター仕立て>」は、特に40代以上からの人気が高く、今年発売した「ビスコ<焼きショコラ>」は30代~40代に人気だそうだ。