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5G時代に向けて始まった国奪り合戦!楽天に勝算はあるのか?

2018.11.25

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

 スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は総務省で展開された5Gをめぐる話題について議論します。

「4割下げられる」はやっぱりおかしい

法林氏:2018年10月22日の産経新聞で、菅官房長官のインタビューを読んだけど、携帯電話について勉強していないと思う。政治介入だと言われているけれど、どう思うかと聞かれて全然OKという口ぶり(「最初から覚悟してやっています」と応じている)。そんなのがOKって。政治介入はダメです。

法林氏

石川氏:楽天が参入したら携帯電話料金が安くなるだろうみたいなことを言っていて、ずいぶん安直だなという感じがする。

石川氏

法林氏:だからみんなで、通信を知らない人間が通信のことを語りすぎているのは良くないって言っているのに、どうしてそれが分からないかな。

石野氏:総理大臣が「お友達」大好きなんでしょう。森友とか、加計みたいにならないといいのですが……。

石野氏

法林氏:まぁ、良くないなと。キャリアさんも総務省が何か言うと口をつぐむし、MVNOも自分たちからは情報をなかなか言わないけど、総務省の後ろ盾があると言う。この構図をなんとかしたいよね。もうちょっと自由闊達にみんながいろんな話をできるといいんだけど。

石野氏:通信に限らず、政策が官邸主導になったってよく言われますが、本当に安倍政権はこういうやり方なんだなというのがあって、ちょっと拍子抜けって感じですよね。

石川氏:うーん、そうだし……ちょっと楽天、かわいそうになってくるというか、ちょっとハードルが上がり過ぎていて。

法林氏:高いよね。

石川氏:期待に応えられなくて、会社的に大丈夫かなって思うくらい。

法林氏:そこでソフトバンクですよ。そこでソフトバンクを買収するんですよ(笑)

石川氏:いやー……。

法林氏:それしかないですよ。

房野氏:ソフトバンク「を」買うんですよね?

房野氏

法林氏:楽天がソフトバンクを買うのはOKなんですよ。

石野氏:OKだけど、そんなお金は、ね。サッカー選手を買うのとはちょっと桁がいくつも違う。

法林氏:そりゃ違いますよ。

石川氏:楽天はモバイルがメインではないからね。

法林氏:ソフトバンクの10兆円ファンドが楽天に投資する。

石川氏:いや、本当に菅さんの頭の中では、楽天が参入したら4社目として競争力が増して、大手3社が値下げするだろうっていう考えなんだろうけど、10年以上前、ソフトバンクがボーダフォンを買収して新料金プランを導入したからといって、大手2社がすぐ値下げをしたかといったら、決してそんなことはなくて。

法林氏:ソフトバンクの基本使用料「ホワイトプラン」への対抗策は何年も出なかった。

石川氏:まさにそう。iPhoneが売れていたから、仕方なく対抗したような感じだった。3社のうち1社がホワイトプランを出したにも関わらず、2社は追随しなかった。そう考えると、4社目が新しい料金プランを出したからって、3社が追随するかといったら、それはないだろうなと。

法林氏:しかも、その4社目は当初、“4割”以上つながらないわけですよ。

石川氏:そうですよ。

石野氏:机上の空論なんですよね。どこかが安いプランを出したら、みんなそこに自動的に対抗するなんて、そんなAmazonのbotみたいなシステムにはなっていないので。影響力があれば、そりゃね。MNPで流出が大量に出るとかいうことがあれば対抗すると思うけど、ただ楽天が料金を出しました、じゃあそれに対抗しますよっていうのは、本当にbot。そんなバカじゃないですよね。

石川氏:それだけ流動性があったら、今頃、格安スマホのシェアが5割くらいになっているはず。これだけ格安スマホと大手キャリアの料金差があるにも関わらず、今、MVNOは1割止まりというのは、やっぱり日本人が保守的だし、なんとなく携帯電話料金は高いなと不満は持っているけれど、乗り換えるのは面倒だと思っている人ばかりだから。

法林氏:これくらいかと思っているところはあるよね。総務省の「モバイル市場の競争環境に関する研究会」の第1回目に出たクロサカさん(1回限り出席する有識者として参加した慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任准教授の黒坂達也(クロサカタツヤ)氏)の発言通りだよね。

石川氏:これだけスマホに依存していて、寝るときは枕元に置き、通勤時間帯もずっと見ていて、休み時間も見る、ということを考えると、これだけ払っても仕方がないと、みんな思っているのかなという気もする。あと、スマホの料金が高いっていうけど、スマホを持ったことによって、レンタルビデオを借りなくなったかもしれないし、雑誌を買わなくなったかもしれないし、新聞の定期購読を止めたかもしれないし、もしかしたらその分だけ出費が下がっているんじゃないかという見方もできると思う。もっと全体を、日本人の生活体系をよく分析してから話した方がいいんじゃないかと思う。

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