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ATとMTだけじゃない!トランスミッションの種類【意外と知らないクルマのこと】

2018.11.20

AMT(オートメイテッド マニュアル トランスミッション)

AMTとは、MTのメカニズムはそのままにクラッチと変速操作を自動化したもの。基本的な構造がMTのため、ダイレクトなフィーリングが好まれる一方、変速時のショックの大きさに違和感を覚える方も。

MTと同様に構造がシンプルなため、軽量で低コストが可能。さらに、伝達効率に優れていることから、小型車から大型トラックまで幅広く採用されている。なお、スズキが搭載している「ASG」、プジョーの「ETG」、フィアットの「デュアロジック」など名称は異なるが、基本的な仕組みは同じ。

MT(マニュアル トランスミッション)

クルマのトランスミッションとしては、最も古典的な機構のひとつで、クラッチとシフト操作により変速を行なう。もともとの完成度が高かったため、あまり進化をしていないようにも思えるのだが、回転速度を同調させるシンクロメッシュ機構を採用してダブルクラッチを不要にするなど使い勝手の面で向上。

そのシンプルな構造のため軽量で、さらに伝達効率に優れていることから、低コストと低燃費、優れたメンテナンス性に寄与。また、ダイレクト感あるフィーリングに加え、ドライバーの技量によってクルマを速く走らせるツールにもなり得ることから、スポーツタイプのクルマに搭載されることも多い。

ただし、現在ではATの進化が著しく、燃費性能でのアドバンテージはなくなり、変速の速さでは電子制御のDCTに敵わなくなっている。その証拠に、フェラーリやランボルギーニはもちろんのこと、日本のスポーツカーを代表するような日産GT-RやホンダNSXもMTを採用しておらず、ポルシェが7速MTを残してくれているといった状況。

まとめ

さて、日本における普及率が、わずか1%といわれ絶滅寸前のMT。ヨーロッパなどでは、まだまだATより人気があるとはいえ、今後はクルマの電動化は必須で、電気との相性の悪いMTは消えていく運命なのかも知れない。

だからこそ、いまがMT車に乗る最後のチャンスともいえる。MTは、最近多い「ペダル踏み間違いによる誤発進などの事故を起こしにくい」などといった、取って付けたようなことを言う気はない。

エンジンの回転数に合わせクラッチとシフト操作で変速して、タイヤに駆動が伝わる瞬間、その自分でクルマを操っているという感覚が、たまらなく気持ちいいのだ。もちろん、MTの操作に慣れるまではギクシャクするかも知れない。それを克服できた時に、さらなる快感が待ち受けているのだ。

文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメやファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。

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