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「秋のヘッドフォン祭2018」の注目アイテムベスト10+α

2018.11.15

■連載/ゴン川野のPC Audio Lab

Introduction

「秋のヘッドフォン祭 2018」の超私的ベスト10の後半5点プラス新製品などをご紹介しよう。かなり長くなってしまったが、これでも紹介しきれないのがヘッドフォン祭のスゴイところだ。

前編はこちら

Report

●OJI Special『TCSS2 Unit』

国産ハイエンドメーカーのOJI Specialの「MTCSS」ユニットを進化させたクロックシステム。「MTCSS」は外部クロック非対応のDACとPCやNASの間に接続して、10MHzのマスタークロック同期ができるようになる画期的なシステムである。『TCSS2 Unit』は最新の内部クロックを搭載、さらにノイズの影響を受けにくい構造を採用している。クロックには音質の良さで選んだ10MHz高精度水晶発振器を使う。

ラインナップは8128B-UA (同軸とAES/EBU入出力付き)69万8000円。8128B-UA+TM (TM-1オプション付き)71万7000円。8128B-UA+TM+D (外部専用DAC出力及びTM-1オプション付き)83万8000円。受注生産で納期はおよそ1.5ヵ月となる。

TM-1オプションとは、オーディオ機器として最適のトルク値を設定して、微調整するオプションである。まず、トルク基準値内でさらに音質的に検討した新たな基準を設け、本体内部、シャーシ、基板取り付け、本体組み上げなどで個別のトルク規定に従って、組み上げるというものだ。オーダー時オプション以外に、すでに使用中の製品のリビルドも受け付けている。価格は1万9000円より。

さらにヘッドホンアンプ『BDI-DC24B-GT2+S+TM』(90万円)という同社の集大成とも呼べるべきモデルも登場。カンタンに言えばオプション全部入りのバランス接続対応ハイエンドモデルである。『TCSS2 Unit』とペアで聞くとOJI Specialが追求する音はこれだったのかと思わせる。シルキータッチだが平面的でなく、繊細な情報が再現され、3次元的空間が感じられる。アンプは個性を主張せずヘッドホンの個性を引き出すタイプである。次回のヘッドフォン祭で見かけたら、ぜひ試聴してもらいたいシステムだ。

スリムで3点支持になった新型ボディーを採用した『TCSS2 Unit』

マスタークロックは外部の10MHzにも対応。送り出し側のクロックも表示される。

OJI Specialの音を堪能できるシステム。受注生産なので接続するヘッドホンに最適化した設計もおこなえる。

●MASS-kobo『model 428』

マス工房もこだわりの国産ヘッドホンアンプ&マイクメーカーである。『model 428』はフルバランスのバッテリー駆動ポータブルヘッドホンアンプだ。『model 428』はφ4.4mmのバランス接続端子、同時発売の『model 424』はXLRバランス接続端子を採用。内部の回路は私が使っている『model 404』と同じで、電源の電池を6本から4本に減らして小型化している。

『model 404』と同じ回路だが、内部のケーブルを排除してケーブルレス化、金メッキコネクターで接続して、入力端子を変更したことで音質が向上したという。比較試聴していないので、断言は出来ないが、『model 404』よりもより鮮明でエッジがシャープな音になったように思える。出力ゲイン切り替えスイッチが装備され、高効率のイヤモニから低能率のヘッドホンまで対応できるようになったのがうらやましい。

φ4.4mm端子に対応したヘッドホンアンプ『model 428』

左はXLRバランス端子を装備した『model 424』

内部にディップスイッチがあり、ゲインが切り換えられる。これは便利だ。

ハイエンドモデル『model 406』(180万円)。ツインバランスモノラル仕様で出力3.5W+3.5W以上の大出力を誇る。

final『D8000』が試聴用ヘッドホンとして用意された。このペアで聞くと国産最高という気分になれる。

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