日本初のカウル装着車はCBX400F インテグラ
日本でカウル装着車が登場するのは、R100RSから遅れること6年、1982年発売のCBX400F インテグラが最初です。カウル装着=スピードが出る=暴走行為の引き金となりかねない、という理屈で、なかなか認可が下りなかったという経緯があったようです。バイクブームが始まりかけていた当時、バイクへの「風当たり」は今以上に強かったのですが、そこにCBX400F インテグラのフェアリングが「風穴」を開けました。
以降、スポーツバイクを中心として当たり前の装備となったカウル。機能性とともにカッコよさをもたらすことで、幅広いカテゴリー、幅広い排気量のバイクに装着されるようになりました。2008年に登場し、若者をバイクに注目させたカワサキ・ニンジャ250R(写真は2018年モデル)は、決してガチなハイパフォーマンスモデルではありませんでした。しかし、「フルカウルでカッコいい」と人気を呼んだのです。カッコよさ、大事です。
現在、2輪レースの世界最高峰・MotoGPマシンのフロントまわりには、ウイングレットという新しい空力パーツが取り付けられています。これは主にフロントを中心としてダウンフォースを得るのが狙いです。バイクならではの機敏さを損なわないよう高度なバランス取りは必要ですが、実際に効果があるとされています。公道を走る量産車のカウルにもそのテクノロジーがフィードバックされ、いずれは違った形状になっていくのかもしれませんね。
文/高橋剛