老後の生活のことを考えると、やはり気になるのが年金の問題だろう。年金の計算は複雑な面もあり、「自分は将来、いくらぐらいの年金を受け取れるか分からない」という人も多いかもしれない。そこで今回は現在の年金受給者の平均受給額や年金の計算方法などを分かりやすく説明していくので、皆さんも将来もらえるであろう年金受給額をシミュレーションしてみよう。
そもそも年金はいくら払っている?
皆さんもご存知のとおり、年金は大きく分けて国民年金と厚生年金の2種類ある。
国民年金は、日本国内に在住する20歳以上の人であれば、全員加入しなければならないが、実際に保険料を払う必要がある人は案外少なく、加入者全体の3割程度となっている。というのも、厚生年金に加入している会社員や公務員については、厚生年金保険料の中に国民年金保険料が含まれており、これらの人たちの被扶養配偶者についても保険料を払う必要がないからだ。
国民年金保険料の月額はこれまで段階的に引き上げられ、平成29年度に1万6900円で固定された。ただ毎年度、賃金上昇率を加味した保険料改定率を乗じて、最終的に月額が決定されるため、平成30年度の国民年金保険料の月額は1万6340円となっている。
厚生年金はいくら払う?
厚生年金の保険料は国民年金とは異なり、各個人の収入に応じて変化する。基本的には月々の給料(平均標準報酬額)の18.182%が厚生年金の保険料額となるが、2分の1は会社が負担してくれるので、実際に個人が支払う金額は給料の9.091%(約9%)となっている。
国民年金はいくらもらえる?
それでは、国民年金の受給額の平均はいくらぐらいなのだろうか? 厚生労働省が発表した平成28年度の統計資料によると、国民年金の平均受給額は月額5万5373円となっており、前年度から200円程度増えている。
厚生年金はいくらもらえる?
同様に、厚生労働省が発表した平成28年度の統計資料によると、厚生年金の平均受給額は月額14万5638円となっている。ここでいう厚生年金は公務員や私学共済等以外の民間企業からの加入者を対象としている。このことから、厚生年金は国民年金の約2.6倍の受給額となっており、厚生年金として9万円程度が上乗せされているのがわかる。